検体検査/
一般検査 |
参考知識 |
疾患(病名)T |
疾患(病名)U etc |
一般検査/尿量 |
採尿はきちんと全部とる必要がある。一部でも放尿しない。
蓄尿には夏場腐敗も注意し冷暗所に保存する尿失禁や自排尿が不可能ならカテーテル採尿となる。 |
欠乏/急性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、心不全、急性熱症、高度な発汗、下痢、嘔吐
無尿/慢性腎炎、ネフローゼ症候群等の重症時、急性腎不全
|
尿閉/結石・腫瘍等による腎・尿路の閉塞 |
一般検査/尿PH |
尿はPH5〜6のことが多く尿PHのみで異常が分かる事は少ないので他の検査と組み合わせる。
尿は食事の影響を受け易いので反復検査をする。 |
アルカリ性/腎不全、腎盂腎炎、アジソン病、心不全、利尿剤、胃液(酸)の喪失など
|
尿白濁/リン酸塩による膿尿の場合
もある。
|
酸性/肺気腫、気管支喘息、呼吸筋麻痺、糖尿性アシドーシス、重症下痢、激動後乳酸アシドーシス、痛風など |
尿白濁/白血球尿(膿尿)、細菌尿
|
一般検査/尿比重 |
1.010以下を低比重尿1.030以上を高比重尿という。尿蛋白や尿糖が出ている場合、影響を受けるので補正する。
健常なら尿量と比重は反比例する。尿比重と並行して尿浸透圧値も増減する。 |
高比重尿/糖尿病、脱水(重症な下痢、嘔吐、発汗)、造影剤、デキストラン、抗生物質
低比重尿/尿崩症、慢性腎不全、間質性腎炎、心因性多飲症、多量の飲水及び輸液
|
蓄尿は出来る限り冷暗所に置いて保存する。 |
一般検査/尿蛋白 |
女性の場合、尿道口の清拭、中間尿を採取できていないと.由来の分泌液混入の可能性がある。
健常でも100/day以下の尿蛋白は排泄される。
|
腎前性蛋白尿/心不全、腎静脈血栓症、悪性高血圧、多発性骨腫瘍、ヘモグロビン尿
腎後性蛋白尿/尿路感染症、尿路結石、尿路の腫瘍 |
腎性蛋白尿/糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、重金属中毒、紫斑病性腎炎、糖尿病、SLE腎症、腎不全、腎盂腎炎、腎嚢胞、Alport症候群 |
一般検査/尿糖 |
アスコルビン酸を多量に含む飲料、還元性薬剤の服用、は還元作用で、陰性傾向を示す。
糖尿病患者が必ず尿糖陽性とは限らないので要注意。 |
一過性/精神的ストレス、頭部れる
|
持続性/糖尿病(インシュリン依存型、非依存型)、腎性糖尿(血糖値に異常が無く尿細管再吸収障害による)、二次的糖尿(他疾患に随伴して生じるもの、甲状腺機能亢進症、cushing症候群、下垂体機能亢進症など) |
検体検査/
一般検査 |
参考知識 |
疾患(病名)T |
疾患(病名)U etc |
一般検査/尿潜血 |
採尿時の尿外観と排尿時痛、残尿感の確認、女性は生理日、その前後は尿潜血陽性となる。
又、尿道口の清拭、中間尿採尿が出来ていないと.系の汚染で陽性傾向、患者の家族歴、服用薬剤なども診断上不可欠。 |
腎前性疾患/血友病、血小板機能異常症、抗凝固剤投与、白血病
腎性疾患/糸球体腎炎(急性腎炎、慢性腎炎)IgA腎症、ループス腎炎、間質性腎炎、腎盂腎炎、腎動脈性血栓症、腎結石、Nut
cracker現象 |
腎後性疾患/尿路感染症(膀胱炎など)、前立腺炎、尿路結石(膀胱結石、尿管結石など)、悪性腫瘍(膀胱癌、前立腺癌、腎癌など)、外傷・手術、子宮癌・子宮内膜症などで尿中混入 |
一般検査/
尿ウロビリノゲン
|
ウロビリノゲンは肝・胆道系から排泄されるビリルビンが腸管で腸内細菌により還元されて生成される。
大部分は糞便に排泄され、一部腸内に再吸収され肝に循環し、一部は肝を通過し、大循環、腎を経て尿中排泄 |
尿ウロビリノゲン+/溶血性貧血 |
(尿ビリルビン−/溶血性)
|
尿ウロビリノゲン+/肝炎、肝硬変、薬剤性肝障害、体質性黄疸 |
(尿ビリルビン+/肝実質性、閉塞性) |
尿ウロビリノゲン−/閉塞性黄
疸(肝内外胆汁うっ滞) |
一般検査/
尿ビリルビン |
健常人は陰性、尿ビリルビン0.05r/dl未満。血中濃度が腎での排泄閾値(2.4r/dl)を超えると尿中に排泄される。陽性で肝・胆道系疾患が疑われる
|
(尿ウロビリノゲン+/溶血性、肝実質細胞性) |
閉塞性黄疸(先天性胆道閉塞症、特発性総胆管拡張症、胆石症、胆管炎、胆嚢炎、膵頭部癌、ウィルス性肝炎)、肝実質性黄疸(ウィルス性肝炎、薬物性肝障害)、体質性黄疸(Dubin-Johnson症候群、Rotor型ビリルビン血症) |
(尿ウロビリノゲン+/溶血性、肝実質細胞性) |
(尿ウロビリノゲン−/閉塞性) |
一般検査/
尿ケトン体 |
糖質不足などで糖代謝の障害が起こると、糖の代替エネルギー源として脂肪酸が利用されるが、その際アセチルコリンAが生成され、更に肝臓でアセチルコリンAからケトン体が造られるため、ケトン体が尿中に排泄される。
|
強陽性/糖尿病ケトーシス(インスリン依存型)
陽性/糖尿病ケトーシス(インスリン依存型)の疑い*、小児の強度の嘔吐、下痢による脱水、長期飢餓・絶食、妊娠中毒、脂肪の過剰摂取など |
*尿糖が強陽性であれば可能性大。血糖値も高く、血液ガス分析でPH、HCO3も低くなる。意識障害、昏睡、脱水、血圧低下も確認され危険な状態が考えられ、患者の呼気にアセトン臭も確認される。 |
一般検査/尿沈渣 |
尿路感染症が疑われる場合の採尿は尿道口清拭と中間尿採尿厳守、女性の場合は膣、.部の分泌液が混入すると誤診する。
採尿後、長時間放置は赤血球、白血球崩壊があ
る。 |
赤血球(5〜8μm、腎炎 IgA腎症、結石、腫瘍など血尿として多量出現、腎糸球体体疾患では赤血球の形が瘤状変形)、
白血球(10μm程度 膿尿、尿路感染症の可能性)、
扁平上皮(20〜100μm)、
移行上皮(20〜100μm尿路異常、特異性はほぼ無い)、
尿細管上皮(15〜40μm疾患特異性は無いが、腎実質に異常があれば多量出現)、
卵円形脂肪体(20〜70μmネフローゼ症候群、糖尿病性腎症などの尿蛋白が強陽性時にみられる)
、硝子円柱(腎疾患、糖尿病性腎症、高血圧症などで多量にみられる)、 |
細胞質封入体細胞(15〜40μm非特異的、尿路感染症では膿尿に伴いみられる。インフルエンザなどのウィルス疾患でもみられる。)、
上皮円柱/ネフロン間質性異常
顆粒円柱/腎障害、大量出現なら急性・慢性の腎障害、慢性腎不全
ロウ様円柱/腎障害
脂肪円柱/低蛋白血症、ネフローゼ症候群
赤血球円柱/糸球体腎炎、IgA腎症、膜性腎症、急速進行性腎炎
白血球円柱/腎盂腎炎、糸球体腎炎、糸球体及び、間質における炎症、感染症
|
検体検査/
一般検査 |
参考知識 |
疾患(病名)T |
疾患(病名)U etc |
一般検査/便性状 |
新鮮便でなければならな
い。 |
形状/
軟便〜水様便(下痢便)/腸管
水分吸収不良、蠕動運動亢進
白色下痢便(乳児)/ロタウィ
ルス感染症
兎糞状便(低水分、小塊状硬
便)/宿便や痙攣性便秘
太く、時に硬い便/弛緩性便秘
鉛筆様便/直腸・.付近に痙
攣や狭窄がある。
粘液便/潰瘍性大腸炎、過敏性
大腸炎
粘血便/赤痢、腸炎ビブリオ感
染、潰瘍性大腸炎、クローン
病 |
色調/
赤色便(潜血便)/下部消化管出血(大腸炎、痔疾、赤痢)
黒色便(タール便)/上部消化管出血(胃・十二指腸潰瘍、胃癌、食道静脈瘤破裂)
黒色便(斑点状)/鉄剤服用、炭末服用
黄〜黄緑色便/高度の下痢便、下剤服用
緑色便/強い酸性便(小児)、抗生剤服用
灰白色便/閉塞性黄疸、肝炎極期、慢性膵炎、バリウム検査後 |
付着/
血液/直腸、.などからの出血(痔疾、大腸ポリープ、大腸癌、腸重積症)
粘液(光沢ある透明粘稠な綿状片)/腸管の炎症、腫瘍
膿(殆ど粘液血液と混在)/大腸の潰瘍性疾患、細菌性赤痢
脂肪(石鹸カス状、灰白色軟膏状)/脂肪の消化吸収障害(慢性膵炎、胆道閉塞)
固形物/胆石、膵石、腸石、糞石、食物残渣(消化不良) |
臭気/
腐敗臭/(膵疾患、慢性腸炎、直腸癌)、
酸臭/(脂肪便、糖質の異常発酵)
PH/
強酸性(異常発酵)
強アルカリ性(高度腐敗) |
一般検査/
便潜血反応 |
採便はトイレ洗浄剤に便が触れると抗原性が失われるので注意する。大腸癌は便表面に血液が付着
するので数箇所から万遍なく採取する。出来るだけ新鮮便が望ましい。 |
腫瘍/大腸癌、大腸腺腫、胃癌
潰瘍/胃潰瘍
炎症/大腸の炎症性疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)、胃炎、食道炎 |
|
home(癌&癌のキーワード)>menu>検査値 |
検体検査/
血液検査/ |
参考知識 |
疾患(病名)T |
疾患(病名)U etc |
血液検査/
白血球数(WBC)
|
迅速な指標ならCRP,シアル酸の測定が良いが、発熱など感染症状がある場合、血液疾患が疑われる場合には白血球分類を
行う。
(下に続く) |
放射線治療・再生不良性貧血
・悪性リンパ腫など
減少/3000〜1500
急激な低下や好中球の異常な減少に注意
減少(緊急異常値)/1500〜1000迅速な臨床対応を要する
減少(易感染状態)/1000以下感染の危険性高度 |
各種感染症・白血病・アレルギー
性疾患・(激しい運動、ストレス
、月経、妊娠後期、喫煙)
増加/10000〜15000急激な増加に注意
増加(緊急異常値)/15000以上迅速な臨床対応が必要 |
白血球数が正常、軽度でもいずれかの細胞分画が増加、減少が有り得、異常細胞が出現している場合もある。
白血球数低下は好中球減少では主として細菌や真菌に対する感染防御力が低下し、リンパ球減少ではウィルス、原虫、真菌、抗酸菌に対する感染防御力が低下する。
好中球数がゼロに近い状態は無顆粒球症といい、高熱を示し緊急対応が必要(薬剤服用によるなら、原因薬剤は即刻中止) |
血液検査/
赤血球数(RBC) |
緊急対応を伴う血液疾患は貧血、白血球数異常、血小板減少を伴う事が多い。
好中球減少による発熱、血小板現用による出血斑の有無を確認する。
(下に続く) |
増加/絶対的多血症/
骨髄増殖性疾患(真性多血症)続発性多血症(低酸素{心臓肺疾患、異常ヘモグロビン}エリスロポイエチン分泌増加、アンドロゲン分泌増加)
増加/相対的多血症、ストレス多血症、脱水
減少/破壊亢進/
血管外溶血性貧血(赤血球抗体、感染症、薬物) |
減少/破壊亢進/
血管内溶血性貧血(遺伝性/解糖系異常、グロビン生成異常、赤血球膜の異常 後天性/細小血管症溶血性貧血、発作性夜間血色素尿症、鉛中毒)
減少/成熟赤血球の産生不良必須物質の欠乏(鉄、葉酸、ビタミンB12)赤芽球の異常(再生不良性貧血、骨髄異形成性症候群、赤芽球ロウ、鉄芽球性貧血)骨髄浸潤(白血病、多発性骨髄腫、悪性リンパ腫、癌、骨髄線維症)内分泌異常(粘液水腫、アジソン病、下垂体機能低下症)慢性疾患(癌、感染症、膠原病)慢性腎疾患、肝硬変その他(薬剤、放射線照射)
|
鉄欠乏性貧血の初期はヘモグロビン濃度が低下して
も赤血球数が正常範囲内にあるため赤血球数の変動
のみで貧血の有無の判断は出来ない。一方、真性多
血症では慢性出血による鉄欠乏を合併し易く、赤血
球が小球性・低色素性となるため、赤血球数の著し
い増加に比較し、ヘモグロビン濃度やヘマトクリッ
ト値の変化は経度。網赤血球は骨髄から出てきたば
かりの若い赤血球で、その数を測定すればこつずい
の赤血球造血の状況が分かる。 |
血液検査/(HT)
ヘマトクリット値 |
緩慢な貧血(急激でない)は生体の代償機構が働くために症状が出現し難い。逆に急性出血の直後は循環赤血球量の著しい低下があるがヘマトクリット値は正常を示し、血漿補充のため血管外液が2〜3日間血管内に流入した後にヘマトクリット値の低下が確認される。日差変動は5%以内、喫煙者、高地在住者では高値を示す傾向がある。 |
激しい運動の後は発汗によって血液が濃縮されヘマトクリット値も増加、長距離の場合は血管内溶血で減少する事もある。
著しい高血糖患者(600r/dl以上)の赤血球数は等張の溶液中で膨張しMCVとヘマトクリット値が実際値より高い。溶血性貧血の原因の一つ、
寒冷凝集素症では自動血球計数機での測定で大きな凝集塊は赤血球として算定されずヘマトクリット値は実際値より低い。冷蔵庫で24H保存可能
|
|
検体検査/
血液検査/ |
参考知識 |
疾患(病名)T |
疾患(病名)U etc |
血液検査/(Hb)
ヘモグロビン量 |
ヘモグロビン7g/dl以下で通常貧血症状が出現するが、慢性貧血では通常7g/dl以上では輸血の適
応はない。
2単位の輸血で通常ヘモグロビンの上昇量は1.5g/dlである。 |
WHO貧血基準/(参考)
13.0g/dl(男)
12.0g/dl(女)
緊急異常値/
低値5.0g/dl(小児7g/dl)
高値18g/dl以上21g/dl(幼
児) |
急性出血反応/(体重70kg全赤血球
量5000mlのケース)
A
(%) |
出血量(ml) |
臨床所見 |
10 |
500 |
なし |
20 |
1000 |
労作時頻脈、軽度起立性低血圧 |
30 |
1500 |
臥位で頸静脈虚脱、労作性頻脈、起立性低血圧 |
40 |
2000 |
安静時の中心静脈圧・心拍出量・血圧共に低下、空気飢餓感、微弱な速脈、しっとりした冷たい皮膚 |
50 |
2500 |
重篤ショック、死亡 |
A;全血液量出血比率 |
血液検査/
血小板数(PLT) |
乳幼児は成人に対して高値傾向にある。女性は月経時若干増加する。
血小板測定用検体は凝固、凝集を起こしてはならない。
血小板の異常が明らかならば他の出血傾向の検査を進めることになる。
|
増加/(骨髄増殖性疾患)
慢性骨髄性白血病、本態性血小板血症、真性多血症、原発性骨髄線維症
増加/(反応性増加)
出血、鉄欠乏性貧血、溶血性貧血、摘脾後、慢性炎症、感染症、悪性腫瘍、薬剤起因性、激しい運動 |
減少/(産生の低下)
再生不良性貧血、巨赤芽球性貧血、急性白血病、骨髄低形成症候群、癌の骨髄浸潤、薬剤や放射線による骨髄抑制、ウィルス感染症
減少/(破壊・消費亢進)
特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、播種性血管内凝固症候群(DIC)、リンパ腫、全身性エリテマトーデス(SLE)、薬剤起因性
減少/(分布の異常) 脾腫 |
血液検査/(ESR)
赤血球沈降速度 |
感染症や心筋梗塞などを発症後1日以内の初期には赤沈はまだ亢進しない。
悪性疾患や重症感染症において貧血が進行すると赤沈は更に促進し、時にDICを合併するとフィブリノゲンが減少して赤沈は遅延する。
生理的変動は少ない。採血は早朝空腹時に行うのが原則。
|
促進/各種感染症、心筋梗塞、ネフローゼ症候群、肝硬変、多発性骨髄腫、原発性マクログロブリン血症、慢性関節リウマチやSLEなどの膠原病
遅延/赤血球増多症、播種性血管内凝固症候群(DIC)、無フィブリノゲン症 |
|
home(癌&癌のキーワード)>menu>検査値 |
検体検査/
生化学検査/ |
参考知識 |
疾患(病名)T |
疾患(病名)U etc |
生化学検査/(Na)
血清ナトリウム |
早期発見のポイント/
低Na/(全身の倦怠感、悪心、乏尿、循環不全、痙攣、精神障害、など)
高Na/(呼吸困難、息切れ、興奮、不穏、高血圧)
水分、食事管理/(水分摂取量と排泄量を管理する。塩分摂取量を守る。調理献立は工夫する。輸液管理厳守 |
高Na/(水分欠乏による)
脱水(発汗、発熱)。水分摂取不足、尿崩症、浸透圧利尿、高血糖
高Na/(Na過剰によるもの)Na摂取過剰、クッシング症候群、原発性アルドステロン症
|
低Na/(Na欠乏によるもの)
嘔吐、下痢、ネフローゼ症候群、アジソン病
低Na/(水分過剰によるもの)
多飲、SIADH
低Na/(疾患によるもの)
腎不全、心不全、悪性腫瘍、肝硬変 |
生化学検査/(K)
血清カリウム |
乏尿など腎不全や新生児やK蓄積傾向がある時は果汁などK含有量の多い食品の摂取、輸液やK輸液も注意しなければならない。
血清Naは日内変動があり、食事、運動で変化する。検査は早朝空腹時に実施する。全血放置は高値となる。新生児は若干高値となる。 |
増加/高K血症/細胞内からの移動代謝性アシドーシス、
家族性高K血症、周期性四肢麻痺、β阻害剤、Succinylcholine、ジギタリス過剰投与、K保持剤、Angiotensin ConcertingEnzyme阻害薬、非ステロイド性消炎鎮痛剤、ヘパリン
増加/高K血症/腎からの排泄障害
急性腎不全乏尿期、慢性腎不全、アジソン病、低アルドステロン症、抗アルドステロン剤投与、トリアメトロン、アミロライド投与
|
減少/低K血症/細胞内への移動代謝性アルカローシス、
周期性四肢麻痺、インスリン投与、高濃度輸液
減少/低K血症/
消化管からの喪失嘔吐、下痢、吸収不良症候群
減少/低K血症/腎からの喪失
浸透圧利尿、尿細管性アシドーシス、原発性アルドステロン症、クッシング症候群、悪性高血圧、ステロイドホルモン長期投与、ペニシリン、サイアザイド系利尿剤、マンニトール、シスプラチン投与
|
生化学検査/(Cl)
血清クロール |
乳児は高値傾向を示し、女性は男性より高値傾向を示す。食事は胃液分泌を亢進し血清クロールを下げ、日内変動があるため早朝空腹時に検査する
。 |
増加/高Cl血症/吸収性アシドーシス
過換気症候群、肺気腫
増加/高Cl血症/代償性アシドーシス
尿細管性アシドーシス、ネフローゼ |
減少/低Cl血症/吸収性アシドーシス
肺気腫、肺炎
減少/低Cl血症/代償性アシドーシス
頻回の嘔吐、アジソン病、原発性アルドステロン症 |
検体検査/
生化学検査/ |
参考知識 |
疾患(病名)T |
疾患(病名)U etc |
生化学検査/(Ca)
血清カルシウム |
採血は駆血帯を緩めてから行わないと血漿蛋白濃度が上昇し、Ca濃度も同時上昇してしまう。臥位より立位の方が高値なる。 |
症状/増加/高Ca血症
*神経・筋症状/筋力低下、筋肉痛、腱反射減弱
*精神・神経症状/易疲労性、食欲不振、情緒不安定、傾眠、昏睡
*消化器症状/食欲不振、悪心、嘔吐、便秘、腹痛
*腎臓・尿路症状/尿濃縮力低下、多尿、急性腎不全、慢性腎不全
*循環器症状/心電図上QT短縮、高血圧、不整脈
*異所性石灰化/結膜・角膜の石灰化、肺の石灰化
症状/減少/低Ca血症
*神経・筋症状/痺れ感、デタニー発作、痙攣、筋力低下
*精神・神経症状/不眠、抑鬱、性格変化、不随意運動、知覚障害
*循環器症状/心電図上QT延長
|
疾患/増加/高Ca血症
*原発性副甲状腺機能亢進症
*悪性腫瘍に伴う高Ca血症/@PTH関連蛋白産生腫瘍A腫瘍の広範な骨吸収性転移、多発性骨腫瘍の広範な骨浸潤
*ビタミンD作用の過剰/@ビタミンD中毒、A肉芽腫性疾患;サルコイドーシス、結核
*他の内分泌性疾患に伴うもの/甲状腺機能亢進症、アジソン病
*家族性低Ca尿性高Ca血症
*その他/@薬物性;サイアザイド系利尿剤、ビタミンA中毒症などA不動化
疾患/減少/低Ca血症
*低蛋白血症/見かけ上の低値で補正Caは正常
*副甲状腺機能低下症/@副甲状腺ホルモンの欠乏又は分泌不全症、特発性甲状腺機能低下症、続発性副甲状腺機能低下症、低Mg血症
A副甲状腺ホルモンの作用不全、偽性副甲状腺機能低下症
*慢性腎不全
*ビタミンD欠乏又は作用不全
*腎からのCa喪失
*骨へのCa蓄積亢進 |
生化学検査/(Mg)
血清マグネシウム |
低Mg血症、Mg欠乏症を確実に診断するためには尿中、赤血球・リンパ球・単核球、筋肉中の濃度測定が必要。 |
症状/増加/高Mg血症
*循環器症状/徐脈、低血圧、心室伝導障害、QRS延長、心停止
*神経症状/筋力低下、腱反射減弱・消失、呼吸筋麻痺
*精神症状/傾眠、昏睡、鬱状態
*消化器症状/食欲不振、悪心、嘔吐
症状/減少/低Mg血症
*循環器症状/鬱血、頻脈、期外収縮、PR及びQT延長、T波の異常
*神経症状/筋力低下、テタニー、震顫、痙攣、Chvostek徴候、Trousseau徴候
*精神症状/抑鬱、無欲、記名力低下、譫妄、幻覚
*その他/皮膚病変、発育不良、全身痛 |
疾患/高Mg血症
*腎不全
*Mg含有薬の投与(制酸剤、下剤、子癇治療)
*その他(アジソン病、甲状腺機能低下症)
疾患/低Mg血症
*消化器疾患(吸収不全症候群、腸管切除、慢性下痢、消化液の持続吸引、膵炎)
*内分泌疾患(原発性副甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症、原発性アルドステロン症)
*腎疾患(腎炎・腎盂腎炎・腎硬化症、尿細管性アシドーシス)
*その他(アルコール中毒、薬剤{フロセミド、サイアザイド、ゲンタマイシン、シンラスシン}、摂取不足) |
検体検査/
生化学検査/ |
参考知識 |
疾患(病名)T |
疾患(病名)U etc |
生化学検査/(Fe)
血清鉄 |
血清鉄は男女差がある。日内変動があり、朝高く夜間に最も低値をとるので採血は早朝になる。
食事の影響は無いとされるが鉄剤服用患者はお茶の摂取は控える必要がある。
服薬も採血24時間前から中止する。 |
高値/鉄芽球性貧血、ヘモクロマトーシス、再生不良性貧血、急性肝炎初期
低値/鉄欠乏性貧血、真性多血症、慢性感染症、悪性腫瘍、慢性出血、夜間発作性血色素尿症(PNH)の一部 |
|
生化学検査/(TP)
血清総蛋白 |
血清蛋白の生体内における機能は大別すると浸透圧の維持、巣中の物質と結合し、必要な部位までの搬送、栄養素、補体、抗体として液性免疫の役割を果たす。
血清総蛋白以外、血漿タンパクとして測定する時には多くの凝固因子も測定する。 |
増加/血清濃縮/
*免疫グロブリンの増加
*多クローン性増加/自己免疫疾患、肝硬変、慢性肝炎、慢性炎症性疾患
*単クローンせい増加/多発性骨腫瘍、原発性マクログロブリン血症 |
低下/
*栄養不足状態(摂取不足)/飢餓状態、悪液質、吸収不良症候群
*蛋白合成障害/肝炎(急性、慢性)、肝硬変
*蛋白漏出/ネフローゼ症候群、蛋白漏出性胃腸症、広範囲火傷、滲出性皮膚疾患
*異化亢進/急性感染症、慢性消耗性疾患
*体内分布の異常/浮腫
*血清希釈/不適切な輸液
*免疫グロブリン低下/原発性免疫不全症 |
生化学検査/(BUN.UN)
血清尿素窒素 |
慢性腎疾患でBUNは血清クレアチニンよりも尿毒症の症状に相関する傾向がある。
腸管内出血(消化管出血)の証になる。
また蛋白異化亢進(火傷、癌など)に対する栄養的な補助が必要な患者の評価になる。 |
100以上/腎不全(尿毒症)
50〜100/腎不全
20〜50/
腎前性(脱水症、重症心不全、消化管出血、火傷、アシドーシス)
腎性(腎炎、ネフローゼ症候群、腎結石、腎毒性薬物)
腎後性(尿管閉塞、膀胱腫瘍)
8以下/
妊娠、低蛋白食、飢餓、肝不全(肝硬変末期)、劇症肝炎、尿崩症、マンニトール利尿、利尿剤投与
|
腎機能指数 BUN/Cr(st 10) 大
栄養摂取不良、低蛋白食摂取、多尿、肝硬変末期(肝不全)、血液透析時、筋破壊
腎機能指数 BUN/Cr(st 10) 小
高蛋白食、アミノ酸輸液、消化管出血、脱水症、尿路閉塞、腎前性腎不全、蛋白異化亢進(外科的侵襲、火傷、重症感染症、癌腫、発熱、甲状腺機能亢進症、副腎皮質ステロイド投与、抗生剤投与) |
検体検査/
生化学検査/ |
参考知識 |
疾患(病名)T |
疾患(病名)U etc |
生化学検査/(Cr)
血清クレアチニン |
血清クレアチニンの増加の原因としては末端肥大症や、蛋白同化ホルモン投与などによる筋肉量の増加もあるが、大部分はクレアチニンの尿中への排泄減少(糸球体濾過量の減少)によるもので、腎炎、腎不全が考えられる。
一方血清クレアチニン低下の原因は、筋ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症、多発性筋炎などの筋疾患や長期病臥による筋肉量の減少が上げられる。妊娠や尿崩症による尿中へのクレアチニン排泄増加が原因。 |
高値/
尿中排泄量減少(糸球体濾過量{GFR}低下)/
子宮体腎炎、糖尿病性腎症、高血圧症、腎不全、(急性、慢性、)鬱血性心不全、肝硬変、ショック
筋細胞増大/
末端肥大症、巨人症、蛋白同化ホルモン剤投与
血液濃縮/
脱水症、火傷 |
低値/
筋肉量減少(筋萎縮)/
筋疾患(筋ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症、多発性筋炎)、長期臥床(高齢者、特に女性)
尿中排泄量増加/
妊娠、尿崩症 |
生化学検査/(UA)
尿酸 |
偽性痛風と言う疾患と痛風がある。混同しない様にする。
尿酸値を下げるために減量し、飲酒量を
減らして定期的な検査をする。プリン体を多く含む食品にも注意する。 |
一次性(原発性)
*産生過剰型(HGPRT欠損症、PRPP合成酵素亢進症など)
*排泄低下型(家族性若年性排泄低下型痛風など)
*混同型 |
二次性(続発性)
*産生過剰型(Lesch Nyhan症候群、骨髄増殖性疾患、悪性リンパ腫、多血症、乾癬、溶血性貧血)
*排泄低下型(腎不全、薬剤{利尿剤、ピラジナミド、エタンブトールなど}、脱水症、飢餓、Bartter症候群)
*混合型(G-6-P欠損症、アルコール摂取、過激な運動) |
検体検査/
生化学検査/ |
参考知識 |
疾患(病名)T |
疾患(病名)U etc |
生化学検査/(Bil)
血清ビリルビン |
ビリルビンは光で酸化しビリベルジンになるので検体の保存は冷暗所。新生児は生後一週間で新生児黄疸を呈し、約10mg/dlとなる。
その後低下し、生後3〜5ヶ月で最低となりそれ以降は徐々に増加し15歳くらいで成人値に達する。
運動や食事で数値は変動する。高直接ビリルビン血症において尿中にビリルビンが出現する。黄疸尿は黄褐色を呈し、泡や沈渣まで黄染。
|
直接ビリルビン/0.0〜0.3mg/dl
*肝障害によるもの/急性肝炎、肝硬変症、劇症肝炎、肝癌
*肝内胆汁鬱滞/細胆汁性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、重症感染症による黄疸
*肝外胆汁鬱滞/閉塞性黄疸(胆
石症、悪性腫瘍による胆道閉塞、その他の胆道閉塞など)
*体質性/デュビン・ジョンソン症候群、ローター症候群 |
間接ビリルビン/0.2〜0.7mg/dl
*生成増加によるもの/先天性溶血性疾患、後天性溶血性疾患、悪性腫瘍
*無効造血(シャント型高ビリルビン血症ともいう)/悪性貧血、サラセミア、鉄欠乏性貧血
*体質性/ジルベール病、グリグラ・ナジャ病 |
生化学検査/(NH3)
血中アンモニア |
アンモニアは肝臓や腎臓でグルタミンが酵素の働きで脱アミノ化される時、食物中の蛋白などの窒素化合物が腸内細菌により分解される時、腸内細菌による尿素の分解時に生じる。
アンモニアの代謝は肝臓の尿素サイクルで表素に合成され、筋肉、脳、肝臓でのαケトグルタール酸、グルタミン酸への取り込み、腎臓でのアンモニア塩として尿中への排泄により行われる。 |
高値/後天性疾患
*重症肝機能障害/劇症肝炎、肝硬変、進行癌
*門脈-体循環シャント/肝硬変、特発性門脈圧亢進症、原発性Budd-Chiari症候群、胆汁性肝硬変症、
*尿毒症、ショック、Reye症候群 |
高値/先天性疾患
*尿素サイクル酵素欠損症
*アミノ酸代謝異常症 |
検体検査/
生化学検査/ |
参考知識 |
疾患(病名)T |
疾患(病名)U etc |
生化学検査/γGTP
γ-GTP |
γ-GTPは肝で合成されて一部が胆道から胆汁中に排泄されるため、胆汁排泄が障害されるとγ-GTPが肝内に逆流し血中に移行するために血中濃度が上昇する。 |
高値/他の肝機能検査値が正常
*アルコール性肝障害
高値/他の肝機能検査値も異常
*肝炎、肝硬変、胆石、胆管癌
、肝癌 |
他の肝機能検査/ALT(GPT)
、AST(GOT) |
生化学検査/
リパーゼ |
リパーゼは脂肪を腸管吸収しやすい脂肪酸に変換する酵素で膵液中に存在する。
膵由来であるアミラーゼとの相関があり、急性膵炎時には血液中のアミラーゼが早期に高値を示すが、リパーゼは発病後3〜5日で上昇し数日間高値を持続する。
持続日数もリパーゼの方がアミラーゼより長い。閉塞性黄疸、尿毒症でもリパーゼは増加する。 |
高値/
*急性膵炎、慢性膵炎、膵癌、膵外傷、膵管閉塞、腎炎、腎不全、肝疾患
低値/
*膵全摘後、膵癌末期、慢性膵炎末期、膵嚢胞性線維症 |
(急性膵炎や慢性膵炎の際には、腹痛、悪心、嘔吐、発熱、ショック症状などに注意が必要である。
アルコールの摂取の有無と量の把握も必要になる。
多量の摂取は胃酸分泌、膵外分泌を増加させ、ファーター乳頭部に浮腫をきたし、胆汁が膵管へ逆流して膵酵素を活性化させ、膵炎を起こすなどの弊害を生じる。) |
生化学検査/
AST(GOT) ALT(GPT) |
ウィルス性肝炎では肝炎の活動期にはAST及び
ALTが上昇する。初期は
AST>ALT、極期AST<ALTとなり、治癒に向かうと基準値内に戻る。肝炎が疑われる時は肝炎ウィルスの抗体などの検査で確認する。
(下に続く・・)
|
AST/ALT<0.87 500IU以上
*ウィルス性肝炎(黄疸期)、
薬剤性肝障害
AST/ALT<0.87 100〜500IU
*慢性肝炎活動型
AST/ALT<0.87 100IU以下
*慢性肝炎非活動型、脂肪肝(過栄養性)
注意事項
*採血時溶血があってはならない。(AST.ALT値が高くなる)
*立位採血は安静臥床時より10%高く数値が出る。
*運動で数値上昇のため採血2〜3日前より運動を控える。 |
AST/ALT>0.87 500IU以上
*劇症肝炎、ウィルス性肝炎(初期)、心筋梗塞(重症)
AST/ALT>0.87 100〜500IU
*アルコール性肝炎、胆汁鬱滞、閉塞性黄疸、心筋梗塞(軽症)、筋ジストロフィ症、溶血性疾患
AST/ALT>0.87 100IU以下
*肝硬変、肝癌、脂肪肝(アルコール性) |
AST>ALTの場合は心筋梗塞、アルコール性肝炎などが考えられる。ASTが基準値より高い場合は心筋梗塞、溶血性疾患、筋疾患なども可能性がある。特にCPK上昇を伴うASTの有為の上昇は心筋梗塞があり得、対策が急がれる。
過栄養性脂肪肝ではALTがやや上昇し,ALTがASTより高くなる傾向がある。(この以上を伴わない事もあるので超音波検査が必須)。
ウィルス性肝炎では肝炎活動期にはALTは上昇するが、休止期には基準値内に戻る。肝炎が疑われるなら肝炎ウィルス抗体検査が必要になる。
ALTは特に肝細胞に多いので数値上昇は肝疾患を意味する。ALT.ASTが基準値より高ければ甲状腺機能亢進症、急性肝炎、劇症肝炎が疑われる。 |
検体検査/
生化学検査/ |
参考知識 |
疾患(病名)T |
疾患(病名)U etc |
生化学検査/(ChE)
コリンエステラーゼ |
コリンはリン脂質の構成成分で細胞膜や神経伝達物質の重要な原料である。
体内には数種類のChEが存在する。アセチルコリンを特異的に分解する特異的AChE(真性ACh)及び非特異的ChE(偽性ChE)がある。
その内、偽性ChEは血清、肝、膵などに含まれ、コリンエステルのほか種々のエステルを加水分解する。 |
高値/
ネフローゼ症候群、甲状腺機能亢進症、脂肪肝急性肝炎回復期、糖尿病、肥満、高脂血症(脂質異常症)、高リポ蛋白血症遺伝性高コリンエステラーゼ
|
低値/
肝硬変、慢性肝炎、肝癌、劇症肝炎、肝膿瘍、栄養失調症、重症感染症、遺伝性コリンエステラーゼ異常症、農薬中毒、駆虫剤中毒(有機リン剤)、サリン中毒、抗コリンエステラーゼ剤投与、貧血、妊娠中毒症
|
生化学検査/(T-cho.Tc)
総コレステロール |
コレステロールは生体内の主要な脂質成分で細胞膜、ステロイドの原料など生体の必須物質である。
肝臓で生合成されリポ蛋白(脂質蛋白複合体)に組み込まれる。LDL(低比重リポ蛋白)とHDL(高比重リポ蛋白)があり、コレステロールはLDL中に多く含有され、一部がHDL中に存在する。
(下に続く・・・) |
高値/
ネフローゼ症候群、下垂体機能低下症、家族性高コレステロール血症、肝癌、急性アルコール性脂肪肝、冠硬化性疾患、甲状腺機能低下症、糖尿病、肥満症、閉塞性黄疸、末端肥大症 |
低値/
アジソン病、α-リポ蛋白欠損症、悪液質、肝細胞障害、経静脈高カロリー輸液、甲状腺機能亢進症、消化不良症候群、低β-リポ蛋白症、貧血 |
総コレステロールは主にLDLやHDLなどリポ蛋白中に含まれるコレステロールと遊離型コレステロールの総和という事になる。
総コレステロール値は中性脂肪に比べて食事の影響は少ないが早朝空腹時採血が原則で、溶血や高ビリルビン血症で高値になる。
又、エストロゲン製剤やステロイド投与時で高値傾向となる。加齢と共に上昇し、女性は男性よりも高値であり更年期以後、急上昇する。男性の場合は40歳前後から増加する。 |
生化学検査/(HDL-cho)
HDL-コレステロール |
HDL-choは善玉コレステロール、長寿者にはこのHDL-choが多いことが分かっている。
しかし、HDL-choが100mg/dl以上の場合は高HDL血症と呼ぶがこの様な場合は動脈硬化疾患の危険因子になるので注意が必要になる。
然しながら治療の必要性に付いては喫煙、糖尿病、動脈硬化症の家族歴などの他の危険因子があるか否かにより、対応が異なる。 |
上昇/二次性
閉塞性肺疾患、原発性胆汁性肝硬変、アルコール多飲、運動、糖尿病(インスリン治療)
上昇/一次性
家族性高αリポ蛋白血症(長寿症候群)、CETP欠損症、HTGL活性低下 |
減少/二次性
アルコール性肝炎、ウィルス性肝炎、肝硬変、虚血性心疾患、脳梗塞、甲状腺機能亢進症、高リポ蛋白血症(T、V、W、X型)、糖尿病、肥満、ネフローゼ症候群、慢性腎不全、透析、慢性多関節炎、骨髄腫、喫煙
減少/一次性
Tangier病(家族性HDL欠損症)、LCAT欠損症、LPL欠損症、アポA-T、アポC-U欠損症、魚眼病(fish-eye
disease)、無βリポ蛋白血症(Bassen-Komzweig症候群)
|
検体検査/
生化学検査/ |
参考知識 |
疾患(病名)T |
疾患(病名)U etc |
生化学検査/(LDL-cho)
LDL-コレステロール |
最も強力な動脈硬化惹起性のリポ蛋白。末梢組織では細胞上のLDL受容体を介して細胞以内に取り込まれる。
動脈硬化病巣では酸化LDLがスカベンジャーLDL受容体を介して無制限にマクロファージ内に取り込まれる結果、マクロファージが泡沫化し、動脈硬化が進展する。
|
上昇/
ネフローゼ症候群、家族性高コレステロール血症(Ua型)、家族性混合型高脂血症(Ub型)、糖尿病、肥満、閉塞性黄疸
|
減少/
家族性低コレステロール血症、肝硬変、甲状腺機能亢進症、先天性無βリポ蛋白血症、慢性肝炎 |
生化学検査/(TG)
中性脂肪 |
血中中性脂肪はエネルギーの運搬や貯蔵、臓器や組織の維持に必須の物質で余分なものは肝臓に蓄えられる
。多すぎる事により動脈硬化危険因子になる。 |
上昇/二次性
クッシング症候群、グリコーゲン蓄積症、ネフローゼ症候群、マクログロブリン血症、下垂体機能低下症、完全飢餓、甲状腺機能低下症、高度貧血、痛風、糖尿病、動脈硬化症、尿毒症、脳血栓症、末端肥大症、薬物(サイアザイド系利尿剤など)
上昇/一次性
家族性高カイロミクロン血症(LPL欠損/異常症、アポC-U欠損症)、家族性高脂血症、肝性リパーゼ欠損症 |
減少/二次性
ヘパリン、悪液質、吸収不全症、下垂体機能低下症、甲状腺機能亢進症、肝硬変症、重症肝実質障害、急性黄色肝萎縮症、急性中毒性脂肪肝、心不全、慢性副腎不全(アジソン病)
減少/一次性
無βリポ蛋白血症、低βリポ蛋白血症 |
生化学検査/(GLU.BS)
血糖、グルコース |
ストレス、脳下垂体ホルモン、副腎皮質ホルモンなどの異常分泌で上昇し、グルコースの分解過剰やインスリン分泌過剰で低下する。 |
高値/126以上
T型糖尿病、U型糖尿病、膵外分泌疾患、内分泌疾患(副腎皮質ホルモン過剰症など)、遺伝的異常
高値/110〜126
OGTT境界型、妊娠糖尿病、ストレス |
低値/65以下
インスリノーマ、副腎皮質ホルモン低下症、アルコール、インスリン自己免疫症候群、インスリン注射、血糖降下剤など、薬剤、胃切除(反応性低血糖)、肝不全、腎不全、飢餓
|
生化学検査/(HbA1c)
グリコヘモグロビン |
外国ではHbA1cは一般的に用いられるものではない。
グルコースが結合しているヘモグロビンを総称する場合はグリコヘモグロビン(GHb)が正しい名称で、HbA1cはヘモグロビンのクロマトグラムによる一つの分画名であり、物質名ではない。
(下に続く・・・) |
HbA1cに影響する因子
偽高値/
*ヘモグロビンに結合する物質の影響、アセトアルデヒド(アルコールの多飲)、アスピリン(アスピリン大量服用)、シアン酸(腎不全)
*HbFの存在
*異常ヘモグロビン
*高ビリルビン血症 |
HbA1cに影響する因子
偽低値/
*赤血球寿命の短縮(溶血性貧血、大出血後、妊娠時の貧血)
*異常ヘモグロビン血症
*腎不全(透析)
*採血時の溶血
*肝硬変
*インスリノーマ |
日本では標準化作業がHPLC法という測定値を基準とした関係からHbA1cが用いられるようになった。
血糖値は良好でもHbA1cが高値を示す事があるがこれは普段過食していた患者が、検査に備えて食べ控えを行っていることが多い。
空腹時血糖値126mg/dl以上、75gOGTT2時間値200mg/dl以上、随時血糖値200mg/dl以上のいずれかを示すものの場合はHbA1cが6.5%以上であれば糖尿病と診断されるのは妥当と考えられる。
老健法による糖尿病検診ではHbA1cが5.5%未満の場合は異常ない、5.5〜6.1%未満が要指導、6.1%以上が要医療となる。 |
home(癌&癌のキーワード)>menu>検査値 |
検体検査/
免疫血清検査/ |
参考知識 |
疾患(病名)T |
疾患(病名)U etc |
免疫血清検査/(RF)
リウマトイド因子 |
リウマトイド因子が高値(100IU/ml以上)であれば関節リウマチの可能性が高いが、RH値は関節リウマチの炎症の程度とは相関しない。RF陽性が関節リウマチを示すばかりとは限らず他疾患でも陽性となる。
判定は総合的に勘案して下される。 |
陽性/
*慢性関節リウマチ、悪性関節リウマチ
*リウマチ以外の膠原病(全身性エリテマトーデスSLE、強皮症、多発性筋炎、シェーグレン病)
*肝臓障害(慢性肝炎、肝硬変)
*感染症(EBウィルス感染症、細菌性心内膜炎)
*自己免疫症(ITP、AIHA) |
RF陽性頻度(%)
ヒトIgG抗原 |
|
RA テスト |
LPIA |
RA |
80 |
90 |
他膠原病 |
30〜50 |
60 |
慢性肝疾患 |
35〜55 |
55 |
老齢者 |
10〜30 |
20 |
LPIA;
Latex photometric immunoassay |
免疫血清検査/
甲状腺ペルオキシダーゼ抗体
抗サイログロブリン抗体
|
TPO抗体と抗サイログロブリン抗体が高値を示すと、橋本病かバセドウ病の可能性はTPO抗体では橋本病の陽性率は100%近く、バセドウ病は90%と高くなっている。
抗サイログロブリン抗体の場合は橋本病の陽性率は45%弱、バセドウ病では40%弱であるが、この2疾患は臨床像、他検査(TSH受容体抗体)から鑑別できる。 |
抗サイログロブリン抗体陽性
可能性のある疾患/
*高陽性;橋本病、バセドウ病
*低値陽性;原発性粘液水腫、無痛性甲状腺炎、甲状腺悪性リンパ腫など |
|
免疫血清検査
免疫グロブリン
IgG.IgA.IgM.IgD.IgE
基準値
IgG.870〜1700mg/dl
IgA.110〜 410mg/dl
IgM. 35〜 220mg/dl
IgD. 13 mg/dl以下
IgE.27〜135U/ml成人
|
免疫グロブリン濃度は、年齢による変化があります。IgGは胎盤通過性があり、新生児期に認められるIgGは母体由来のものです。3歳くらいで成人値となり、IgA.IgD.IgEは成人値に達するのは、10歳代前半となります。IgMは誕生時既に、自己産生のものが認められ、1歳児には成人値に達しています。 |
|
高値 |
低値 |
IgG |
IgG型多発性骨髄腫
多発性骨髄腫(IgG型) |
慢性肝疾患
感染症
自己免疫疾患
糸球体腎炎 |
多発性骨髄腫(IgG型以外のもの) |
免疫抑制療法時原発性免疫不全症
Bruton型無γグロブリン血症 |
IgA |
IgA型多発性骨髄腫
多発性骨髄腫(IgA型) |
多発性骨髄腫(IgA型以外のもの) |
IgM |
原発性マクログロブリン血症
多発性骨髄腫(IgM型) |
多発性骨髄腫(IgM型以外のもの) |
IgD |
IgD型多発性骨髄腫 |
多発性骨髄腫(IgD型以外のもの) |
IgE |
アトピー性疾患
IgE型多発性骨髄腫 |
多発性骨髄腫(IgE型以外のもの) |
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|
免疫血清検査/(CRP)
C反応性蛋白 |
抗生物質療法を必要とする細菌性感染症では治療の指標としてCRPは有用であり、CRPの上昇タイミングは白血球増加より遅く血沈亢進より速い。
CRP単独では病態の診断は出来ず、他検査と合わせ総合的に判断される。 |
高度増加/
*細菌感染症、真菌感染症、心筋梗塞、関節リウマチ軽度増加/
*尿路感染症や脳梗塞、ウィルス性感染症、悪性腫瘍
その他/
*外傷、手術後、火傷 |
|
検体検査/
免疫血清検査/ |
参考知識 |
疾患(病名)T |
疾患(病名)U etc |
免疫血清検査/(TSH)
甲状腺刺激ホルモン |
TSHの高感度法の一般化により正常人(0.3〜4.0μU/ml)と未治療バセドウ病(0.01μU/ml以下)の判別が可能になっている。
TSHが低値の場合だけで甲状腺機能亢進症と診断する事は出来ない。
TSHの測定精度、薬物の影響による低値の可能性も有り、診断は甲状腺ホルモン(FT3.FT4)も同時に測定して判定されるべき。 |
高値/
慢性甲状腺炎などによる原発性甲状腺機能低下症、TSH産生腫瘍
低値/
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)、無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎 |
|
免疫血清検査/(FT4)
遊離サイロキシン |
高値となる疾患にはバセドウ病、無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎、プランマー病などがあるがその90%がバセドウ病である。
甲状腺におけるホルモ
ンの産生分泌が共に亢進するとFT4も高くなる。
無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎、では甲状腺濾胞の破壊のため血中にT4が漏出するためにFT4が増加する。
血中FT4が増加するとTSH分泌は低下し血中TSH濃度は測定感度以下に低下する。 |
高値/
バセドウ病、無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎、プランマー病
低値/
原発性甲状腺機能低下症(橋本病、甲状腺摘出後、アイソトープ治療後など)、下垂体性甲状腺機能低下症、視床下部性甲状腺低下症 |
FT4が低値となるのは甲状腺機能低下症で、原発性甲状腺機能低下症、下垂体性甲状腺機能低下症、視床下部性甲状腺機能低下症に分かれ、実際には原発性甲状腺機能低下症が大部分である。
中でも多いのが慢性甲状腺炎(橋本病)で、血中のFT4が低下するとTShが上昇する。
まれに下垂体性甲状腺機能低下症や視床下部性甲状腺機能低下症が原因としてあるがこれはTSHは低下もしくは正常値である。 |
免疫血清検査/(FT3)
遊離トリヨードサイロ
ニン |
バセドウは甲状腺のホルモン産生、分泌が共に亢進している状態で当然FT3も高値になる。一方、無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎は甲状腺濾胞の破壊によりホルモンが血中に漏出するためにFT3が高値になる。 |
高値/
バセドウ病、無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎、プランマー病
低値/
原発性甲状腺機能低下症(橋本病、甲状腺摘出後、アイソトープ治療後など)、下垂体性甲状腺機能低下症、視床下部性甲状腺低下症、低T3症候群 |
|
検体検査/
免疫血清検査/ |
参考知識 |
疾患(病名)T |
疾患(病名)U etc |
免疫血清検査/(IRI)
インスリン
基準値5〜15μU/ml |
T型糖尿病は膵β細胞の破壊によりインスリンが分泌されない。
U型糖尿病はインスリンの分泌は保たれているが充分作用しないもの。
生理的にインスリンの分泌は血糖値即ち食事摂取により左右され夜間〜早朝は低く(基礎分泌)、食事摂取後に増加する(追加分泌)。
点滴を受けている場合点滴中にブドウ糖が含まれていないかの確認が必要になる。患者がインスリン抗体を持っていれば異常高値になる。
遺伝子疾患による影響もある。
|
高値/
インスリノーマ、副腎皮質機能亢進(クッシング症候群)、肥満、末端肥大症、肝硬変、脂肪肝、インスリン自己免疫症、異常インスリン症、妊娠
低値/
糖尿病、膵疾患(膵炎、膵癌)、副腎機能不全、下垂体機能低下症 |
|
免疫血清検査/
エストロゲン |
総エストロゲンの基準値は性別、年齢、性周期、妊娠の有無、週数により大きく変動する。
小児期に総エストロゲンが増加するのは思春期早発症であり、ゴナドトロピン分泌過剰による真性思春期早発症と、ホルモン産生腫瘍による偽性思春期早発症がある。
男性では副腎過形成の診断に用いられる。 |
高値/
真性・偽性思春期早発症、エストロゲン産生腫瘍、排卵誘発剤(卵巣過剰刺激)、多胎妊娠、肝機能障害、副腎過形成
低値/
卵巣機能不全、胎児胎盤機能不全(子宮内胎児発育遅延、子宮内胎児死亡)、妊娠中毒症、糖尿病合併妊娠、周期妊娠、胎盤性サルファターゼ欠損症、胎盤性アロマターゼ欠損症 |
総エストロゲンに影響を与える薬物として抗甲状腺剤、副腎皮質ステロイド剤、経口避妊薬等がある。
基準値
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μg/day(一日尿中) |
男性 |
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|
2〜20 |
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女性 |
非妊婦 |
卵胞時 |
2〜20 |
排卵時 |
10〜60 |
黄体期 |
8〜50 |
閉経後 |
<10 |
|
|
|
妊婦 |
32〜36週 |
>15mg/day |
37〜38週 |
>20mg/day |
39〜42週 |
>25mg/day |
|
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免疫血清検査/(AFP)
α-フェトプロテイン |
AFPが高値の検査値を示した場合はAFP-L3分画比、PIVKA-Uなどの腫瘍マーカーの測定、画像診断などで総合的裏づけをとる必要がある。20ng/ml以上の高値で肝細胞癌を疑う
|
高値/1000ng/ml以上
肝細胞癌、肝芽腫、ヨークサック腫瘍、乳児肝炎、先天性胆道閉鎖症、転移性肝癌、劇症肝炎回復期
|
高値/400〜1000ng/ml
異常妊娠妊婦、肝硬変、胃癌、膵臓癌
高値/100〜400ng/ml
急性肝炎、慢性肝炎、正常妊娠妊婦
|
免疫血清検査/
PIVKA-U |
閉塞性黄疸や肝内胆汁鬱滞などで黄疸が長期に続いてビタミンK欠乏をきたした場合やワーファリンなどのビタミンK拮抗薬の投与などで上昇する事がある。
PIVKA-UとAFPは相関するとは限らず相互の検査を確認して補間確認しながら裏づけを取ることになる。 |
高度上昇/
肝細胞癌
軽度上昇/
肝硬変・慢性肝炎・急性肝炎・
劇症肝炎
肝内胆汁鬱滞・原発性胆汁性肝
硬変、アルコール性肝障害、
閉塞性黄疸、胆管細胞癌・転移
性肝癌、その他の悪性腫瘍、
ビタミンK拮抗薬(ワーファリ
ン)投与時
セフェム系抗生物質投与時、低
栄養状態 |
小さな肝細胞癌ほどAFP.PIVKA-Uいずれかが陽性になることが多い。
肝臓癌に特異性の高い腫瘍マーカーで他の疾患で数値が上昇する事は少ないが、ビタミンK欠乏時(ワーファリン、抗癲癇剤、抗結核剤などの使用時)にも上昇するため注意を要する |
免疫血清検査/(PSA)
前立腺特異抗原 |
前立腺癌症例におけるPSA値は病勢の推移と併行して変動する。
根治的前立腺除去手術で術後3週間でも基準値以下に下がらなければ遠隔転移も考えられる。
放射線療法では照射終了後に基準値如何までに低下した場合は治療効果があり、予後も良いものと考えられる。
健常者の血清PSA値は人種間格差があり米国人の半分程度である。PSAはセ ス後にさがる。 |
前立腺癌及び前立腺肥大症におけるPSA陽性率(USA例) ng/ml
|
<
4.0 |
4.01〜
10.0 |
>
10.01 |
|
陽性
% |
陽性
% |
陽性
% |
前立腺癌 |
19 |
14 |
67 |
stageA |
37 |
33 |
30 |
stageB |
29 |
21 |
50 |
stageC |
19 |
9 |
72 |
stageD |
12 |
9 |
79 |
前立腺肥
大症 |
80 |
18 |
2 |
健常男性 |
99 |
1 |
0 |
|
*前立腺癌のスクリーニングを目的として設定されたPSA*の基準値は4.0ng/ml以下で、前立腺肥大症と前立腺癌の判別に用いるカットオフ値は10.0ng/ml以下としておりグレーゾーンは4.01〜10.0ng/ml未満をしている。
同様にPSA-ACTの基準値は1.1ng/ml以下、カットオフ値は5.5ng/ml以下である。 |
免疫血清検査/(HCV)
C型肝炎ウィルス検査
基準値 陰性 |
HCV感染は成人してからの感染でもキャリア化(慢性化)する。
C型急性肝炎の30%は治癒するが70%は慢性肝炎に移行する。診断は免疫血清検査(抗体検査)と遺伝子検査(HCV-RNA測定)で行う。
HCV暴露(針刺し事故等)時における感染の危険性は3%という報告がある。
感染により、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝癌の病因となる。 |
抗体-抗原 |
検査 |
HCV抗体 |
陽性でHCV-RNA定性検査が陽性の時は現在HCV
感染を示す。HCV-RNA定性検査が陰性の時は既往
を示す。
|
HCV特異
抗体検査(RlBAlll) |
HCV抗体のスクリーニング検査法により特異性が
高いが、HCV感染初期における陽性化が若干遅い
ために判定保留になる場合がある。 |
HCVコア抗体
|
HCVのコア蛋白に対する抗体で、HCV抗体の追加
検査やIFN投与時の治療効果の判定に用いる。
HCV-RNA検査と合わせて判定する。 |
HCVセロタイ
プ(HCV群別
判定) |
HCV抗体が陽性の場合、セロタイプ分類を行って
C型慢性肝炎に対するIFNの治療効果を予測する。
1型と2型があるが血中HCV抗体量が少ない場合
は鑑別不可。
|
HCVコア
抗原
|
測定値はHCV量を反映するため病態把握、治療
効果判定に有用であり、その測定値が検出感度
以下でも、HCV感染を否定できない。HCVコア
蛋白はHCV-RNAより安定しており保存条件に左右
され難い。
|
HCV-RNA
定量検査 |
血中HCV量を反映する信頼性の高い方法、RNAは
分解され易いので検体の扱いは迅速慎重に取り
扱われる。病態の把握や治療効果の判定にHCV
コア抗原同様、有用な方法である。 |
HCV-RNA
定性検査 |
ウィルス血症の鑑別治療効果の判定に用いられる。
|
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免疫血清検査/HBV
B型肝炎ウィルス検査
基準値
陰性or検出感度以下 |
HBV感染は急性肝炎や慢性肝炎、肝硬変、肝癌の病因として重要です。
HBVの持続感染(キャリア)状態が生じるのは、乳幼児の感染のみで、多くは母子感染です。ただし、成人で免疫力の衰えた状態ではキャリア化することがあります。
針刺し事故による感染の危険性は3〜50%といわれております。当事者がHBs抗体を保有していない場合には事故後、48時間以内に、HBガンマグロブリン製剤を投与し、感染を防ぎます。その際は、定期的な(6ヶ月間)HBV感染の有無の確認検査、経過観察をします。 |
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抗体-抗原 |
検査目的 |
HBs抗原 |
HBV感染しているかどうかを診断するためのスクリーニング検査として用いる。 |
HBs抗体 |
HBs抗原に対する抗体で、HBV感染の既往の有無やHBワクチン接種後の抗体獲得の有無を鑑別するために用いる |
HBe抗原
HBe抗体 |
HBe抗原はHBVの遺伝子産物であり、HBe抗体はそれに対する抗体である。HBe抗原と抗体はHBVの感染力、肝炎の活動性の指標となる。慢性肝炎の場合、HBe抗原陽性の時は活動期を示し、HBe抗体陽性の時は非活動を示す。 |
HBc抗体 |
HBc抗体波HBVの芯(コア)に対する抗体であり、感染初期から出現して長時間存在する。急性肝炎では、経過と共に上昇する。HBc抗体の検査ではIgA型及び、IgG型の抗体をまとめて測定しており、HBV感染状態の指標になる。 |
IgM型HBc抗体 |
B型急性肝炎、及びB型慢性肝炎又は無症候性キャリアの急性憎悪の診断に用いる。 |
HBV-DNA定量 |
病態の把握や治療効果判定等に用いる。HBV-DNAの定量は血中のHBV量を直接反映する |
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検体検査/
免疫血清検査/ |
参考知識 |
疾患(病名)T |
疾患(病名)U etc |