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M1(急性骨髄芽球性白血病) |
骨髄中の白血病細胞は顆粒球系の分化を示し、白血病細胞のうち3%異常がペルオキシダーゼ反応陽性である。あるいは芽球の仲にアズール顆粒、アウエル小体、を含んでいる。芽球の成熟傾向は認められない。(好中球の産生も御参考にご覧下さい) |
M2(急性骨髄芽球性白血病/好中球分化を伴う) |
M2はM1と同様ですが、芽球が成熟傾向を示し、前骨髄球を超えて分化する。しかも白血病細胞はしばしば分葉化した核を持ち、細胞質の大きさも異なり、通常沢山のアズール顆粒、1個程度のアウエル小体を含んでいる。芽球の成熟程度は一様ではなく、様々な好中球系細胞を伴う。染色体異常ではt(8;21)転座がかなりの頻度で示される。(好中球の産生も御参考にご覧下さい) |
M3(急性前骨髄球性白血病) |
白血病細胞は大部分の細胞が顆粒の多い、異常な前骨髄球がほとんどであり、特徴的な細胞の核形態を示します。DICの合併やt(15;17)転座を高頻度に合併します。(好中球の産生も御参考にご覧下さい) 一つの事例も御参考にご覧下さい。 |
M3variant(M3v)(M3亜型) |
M3の一部では細胞内に顆粒が電子顕微鏡でしか確認できません。このためにM3亜型と呼ばれM3に比し、発症時の細胞数が多い事が特徴です。転座はM3と同様t(15;17)を示します。(好中球の産生も御参考にご覧下さい) |
M4(急性骨髄単球性白血病) |
芽球は顆粒球系と単球系の両方向への分化能を示しますが、骨髄、末梢血何れも同様の特徴が認められます。故に、M2との鑑別が重要になります。M4では前単球と単球の合計が骨髄or末梢血の有核細胞の20%以上です。前単球と前骨髄球を見分けるには特殊染色(エステラーゼ二重染色等)が必要になります。 |
M4Eo(好酸球増加を伴う急性骨髄単球性白血病) |
M4としての特徴を持ち、骨髄に形態学的に異常が好酸球が認められる場合にM4Eoと診断するもので、16番染色体の腕間位inv(16)という特徴的な染色体異常がある。予後は比較的良いが、中枢神経への浸潤はし易い。 |
M5(急性単球性白血病) |
M5には2つの亜型が存在します。未分化型と分化型であり、未分化型は細胞質は好塩基性で胞体に富み、時に偽足を持つ。前単球の割合は低い。一方分化型は、単芽球、前単球、単球と分化を示し、骨髄と比較すると、末梢血での単球の割合が高く、逆に骨髄では前単球の割合が高い。このタイプは皮膚、歯肉、などに髄外浸潤病変を形成し易い。 |
M6(赤白血病) |
骨髄の有核細胞の50%異常を赤芽球系細胞が占めますが、赤芽球は核が分葉化したり、多核、断片化した核がある、大型化、など多様性に富み、巨赤芽球もみとめられる。骨髄系細胞では骨髄芽球、前骨髄球の増加やアウエル小体も認める事もある。 |
M7(急性巨核芽球性白血病) |
芽球は、未熟な巨核球or巨核芽球の形態を示し、リンパ芽球に似ている。芽球のペルオキシダーゼ反応は陰性で、電子顕微鏡で血小板ペルオキシダーゼ陽性顆粒が存在するか、血小板抗原に対する抗体を使用して血小板由来糖蛋白が染色された場合に確定します。M7は骨髄線維症をしばしば伴います。(血小板の産生も御参考にご覧下さい) |
M0(急性骨髄性白血病) |
白血病細胞は形態上では骨髄芽球様で、細胞化学でペルオキシダーゼ反応陽性率が3%以下です。芽球の成熟傾向は認められず、リンパ性ではなく、骨髄性で有るとするのは、リンパ球抗原が陰性で、CD13ないしCD33陽性である事か、電子顕微鏡でペルオキシダーゼ陽性顆粒が存在する事です。M7タイプの急性骨髄性白血病との鑑別も必要になります。治療による寛解率は低く、寛解持続時間も短い。(好中球の産生も御参考にご覧下さい) |
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