急性白血病・症状・検査・療法

 home(癌&癌のキーワード)>menu>急性白血病      急性白血病

急性白血病・症状・検査・療法・骨髄液採取・採取合併症・病型分類・予後



     
§1 急性白血病


     
白血病は血液や骨髄の中に、腫瘍化した白血球が出現するもので、急性白血病と慢性白血病に大きく分ける事が

     できます。急性白血病は急性骨髄性白血病・急性リンパ性白血病に分ける事ができます。血液中には赤血球、

     白血球、血小板という血球があり、白血球は顆粒球、リンパ球、単球に分類されます。骨髄から作られるこれらの

     血球はすべて骨髄中の幹細胞から分化し、作られる事になります。急性白血病は骨髄芽球、前骨髄球、単芽球、

     リンパ芽球などの未分化な細胞が、分化成熟しない状態で、腫瘍化し、異常に増殖する疾患という事になります。

     骨髄では正常な血液細胞が殆ど作られなくなり、腫瘍化した芽球で占められるようになります。腫瘍化した芽球は、

     正常は白血球に分化する事は出来ません。その結果、正常な白血球、赤血球、血小板は減少し、骨髄で歯白血病

     細胞は充満している状態となります。急性骨髄性白血病と急性リンパ性白血病の比率は2:1と急性骨髄性白血病

     の方が多く確認されます。成人の急性白血病では骨髄性の方が予後が良いとされております。但し、二次性の

     急性白血病では過去に抗癌剤治療、放射線治療を受けた方に確認されるものですが、その90%は急性骨髄性

     白血病であり、腫瘍治療後の2〜10年後に発生し、染色体異常を伴い、予後も悪いとされています。






 home(癌&癌のキーワード)>menu>急性白血病




     
§2 急性白血病の要因


     急性白血病の病因としては放射線被曝歴、ベンゼンの大量被曝(急性骨髄性白血病)が指摘されていますが、

     その他発癌物質や低線量被曝、電磁波、喫煙の因果関係に付いては明確に示されておりません。





     
§3 急性白血病の症状


     
正常な白血球が少なくなると、細菌やウィルスに対する抵抗力が落ちてしまい、風邪に類似した症状を伴い、

     38度を越えるような高熱を発します。赤血球が減少する貧血では、顔色が悪く、青白くなり、動悸や息切れ

     なども起こります。血小板の減少では、血液凝固能が落ちるため、出血傾向をおこします。わずかな打撲でも

     内出血を起こしたりしますがこれらの症状が全て起きるということではなく、いずれかの症状で病院で、血液

     検査を受けた結果、白血病が判明する事が殆どのケースになります。自覚症状が全く内場合もあります。一方、

     疫学的な分類では、急性白血病の症状は血液細胞を産生できないため(正常白血球減少・赤血球減少・血小板

     減少)に起きるものと、白血病細胞が増殖したために起きるものとがあります。正常白血球減少では感染症

     (口内炎、肺炎、尿路感染症)、赤血球減少では顔面蒼白、息切れ、動悸、全身倦怠感、血小板減少では皮下

出血、粘膜出血、歯肉出血、消化管出血、.

出血、脳出血などがあり、腫瘍細胞の増殖では

骨や関節の痛み、発熱、微熱(腫瘍熱)、全身

倦怠感など、急性骨髄性白血病では歯肉が腫脹

、全身の腫瘤形成なども確認されます。急性リ

ンパ性白血病では急性白血病特有の症状ではあ

りませんが、リンパ節や脾臓が腫れる事があり

、中枢神経(能や脊髄)への浸潤から頭痛や吐

き気などが認められる事もあります。骨通、関

節痛の頻度も高いといわれます。





     §4 急性白血病の検査


     
急性白血病の検査では血液検査と骨髄検査による確認がなされます。血液検査では、各種の血液細胞を数え、

     白血球分画検査で、異常細胞の有無を確認します。静脈から採血し、貧血(赤血球数の減少、血色素濃度の

     低下)、血小板数の減少などが認められる場合、白血球数の異常減少の場合や、異常増加の場合など(この場合

     の増加している白血球は殆どが、癌化しています。)があります。

血液検査で異常を認めた場合、骨髄検査を

して白血病細胞があるか顕微鏡で確認し、骨

髄性白血病か、リンパ性白血病であるか判定

します。骨髄検査で殆ど診断は確定します。

骨髄検査は骨髄穿刺と呼ばれ胸骨あるいは、

腸骨に針を刺して骨髄液を少量(約0、5

ml)採取し検査します。白血病細胞が多数確

認されれば決め手になります。この骨髄液を

更に、ギムザ染色という染色法により顕微鏡

下で確認することにより、白血病細胞の種類

を特定します。これを骨髄性か、リンパ性か

を判定するために、ペルオキシダーゼ染色で

鑑別します。これにより急性、慢性、骨髄性

、リンパ性の診断をします。
-骨髄穿刺針 模式図-

ドライタップ(dry tap)という現象がおきることがあります。これは骨髄穿刺を行って吸引しても、骨髄が充分

に引けてこない状態で、骨髄中に細胞成分が詰まっている場合(packed marrow)、線維化が有る場合、骨髄が

低形成である場合、穿刺技術に問題が有る場合などです。




     関連検査値・基準値/急性白血病


     
血小板数白血球数赤血球数尿潜血




 home(癌&癌のキーワード)>menu>急性白血病


     §5 療法/急性白血病


     
急性白血病は化学療法の効果が期待できる代表的な癌です。近年の目覚しい抗癌剤の開発でその環境は大きく

     変化しています。化学療法により白血病細胞を10x8乗 個以下/体内 に減少できれば正常な造血能力を回復

     させる事が出来るとされ、それにより貧血、白血球減少、血小板減少が解消されるとされています(完全寛解)。

     これに至るための療法は寛解導入療法といいます。完全寛解後も体内に残る白血病細胞をたたくために、採用

     される療法を地固め療法、強化療法とよんでいます。白血病細胞の数を的確に測定する手段は無い現状では、

     これらの療法は重要な位置づけになります。これらの化学療法の採用による、副作用、合併症などを防ぐために

     採られる療法を支持療法(補助療法)といいます。成人急性骨髄性白血病で、第一寛解到達後の後治療の施行に

     より寛解持続時間の延長に影響があるとされ、ECOG(米国)によりますと、後治療別の4年生存率は維持化学療法

     後で14%、地固め療法後で30%、同種骨髄移植で42%とあり、集団研究データの4年生存率としてはシタラビン

     大量療法で35%、自家骨髄移植で35%、同種骨髄移植で43%と紹介されております。





     §5−1 寛解導入療法/急性白血病


     体内の白血病細胞を目標値以下にするために行う療法で、アルキル化剤代謝拮抗剤抗癌抗生物質ホルモン剤

     植物アルカロイド、その他の薬剤が使用されます。但し、アルキル化剤はリンパ性白血病の強化療法以外では殆ど

     使用されておりません。ダウノマイシンイダマイシンアクラシノンキロサイドサンラビンロイケリン

     骨髄性白血病の中心的薬剤で、アドリアマイシンオンコビンプレドニソロンロイナーゼはリンパ性白血病の

     中心的薬剤です。通常はこれらの薬剤を併用する多剤併用療法が採用されます。急性骨髄性白血病ではシタラビン

     とダウノルビシンの2剤併用療法が寛解導入療法として採用されています(完全寛解率50〜75%)。シタラビン

     の寛解導入療法においては、イダルビシンの併用、ダウノルビシンの併用の試験なども行われています。急性前

     骨髄球性白血病ではレチノイン酸(ATRA)の傾向投与により70〜90%の完全寛解率の報告もあります。ATRA

     の作用には白血病細胞でt(15;17)あるいはPML-RAR-αの再構成が有ることが必要とされています。ATRA

     の至適投与方法はまだ確立されていないとされ、又、急性前骨髄球性白血病の寛解導入療法を行う場合には、

     合併症のDICは腫性血管内凝固)が、急激に進行する事に充分な注意が必要とも指摘されております。





     §5−2 地固め療法/急性白血病


     完全寛解に導入されたらその直後から、行われる化学療法でこれにより、更に白血病細胞を減少させます。実際

     には完全寛解状態での白血病細胞を数値的に捕らえる事は出来ませんので、完全寛解と同程度の強さ、あるいは

     更に強い治療を行います。新たな薬剤を採用する場合もあります。成人急性骨髄性白血病の場合で、
後治療を

     受けなかった症例の全例から再発が確認されています。(第一寛解期から後治療無しでの長期無病生存〜治癒の

     症例は有りません)シタラビンを含む併用療法を地固め療法として行うか、もしくは自家ないし、同種造血幹細胞

     移植を併用した大量化学療法、全身放射線療法を行う事が必要になります。シタラビン併用治療による地固め

     療法では、長期無病生存率が20〜40%で、治療関連死亡率は20%以下とされ、60歳以下ではシタラビン

     大量療法が地固め療法としての有効性がSWOG(米国)の臨床比較試験でも勝っている事が、認められております。

     特に若年者では顕著に認められております。





     
§5−3 強化療法/急性白血病


     
強化療法は更に白血病細胞を減少させるために地固め療法後、1〜2ヶ月間隔で行われ、その強さは寛解導入療法、

     地固め療法と同等の強さで、都度入院を要する事もあります。



 home(癌&癌のキーワード)>menu>急性白血病




     
§5−4 骨髄移植/急性白血病


     
完全寛解後にとられる骨髄移植は最強の治療法とされています。超大量の薬剤投与と強力な放射線療法により、

     正常骨髄が回復できないくらいの状態まで、白血病細胞をたたいた後、白血球の型(HLA型)の適合した骨髄提供者

     の骨髄液を点滴で投与する方法です。

投与された骨髄液中の幹細胞が全身の骨髄に落

ち着き、造血機能を回復します。これにはHLA型

の適合したドナーが、いなければならず、又患

者の年齢も50歳代全般まで、肝障害がない、

感染症などの合併症もないのが条件になります。

近年では完全寛解中の自己の骨髄液を、あるい

は末梢血からの幹細胞を採取し、大量の化学療

法を実施後に、この骨髄液あるいは末梢血幹細

胞を返す、自己造血幹細胞移植が予後不良群、

再発症例の第二寛解期での症例などに採用され

ており、治療成績も向上しています。





     §5−5 支持療法/急性白血病


     
患者さんの身体は、治療による大きなダメージを受けており、白血球や血小板などは、かなり減少していますし、

     抵抗力は非常な減退をきたしています。それにより出血や、感染症を中心とする重篤な合併症を併発する事が

     生命に関わる危険な状態を招きます。そのためこれらを予防するために無菌室や、無菌ベッドの使用が必要になり、

     細菌感染を起こせば、それにすぐ対応のとれる体制をとらなければなりません。






 home(癌&癌のキーワード)>menu>急性白血病


     
§6 骨髄液採取


§6−1 骨髄液採取方法            -骨髄液採取部位-

骨髄液は手術室で、通常は全身麻酔下で麻

酔台上で、腹臥位で両側の後腸骨陵から、

専用の穿刺針を用い、3〜10ml/回 の

骨髄液を採取します。患者さんの体重あた

り3x10x8乗/s の細胞数の採取を

目指し、ドナーの安全のためにドナー体重

あたり10〜20ml/s(およそ、500

〜1000ml)の骨髄液を採取する事にな

ります。採取は場所を変え、深さを変えて

採取します。

(皮膚は数箇所、腸骨は数十箇所の穿刺となり、)採取時間は1〜2時間、麻酔からの導入から終

了までは2、5時間〜3、5時間となり、その後、数時間は回復室で観察して、病室に戻ります。





     
§6−2 骨髄採取・麻酔に伴う合併症


T 要注意合併症(まれに起きる)
@悪性高熱症;発症の予測が出来ず、治療が遅れると、致死的
A肺梗塞;海外で死亡例が報告されている。
Bその他の合併症;後腹膜血腫、C型肝炎感染、一過性の片麻痺、喉頭肉芽腫、硬膜外麻酔併用による硬膜
 損傷、腎盂腎炎などが報告されております。
U 頻度の高い合併症(%は非血縁ドナーに関する骨髄採取病院からの報告によります)
@血圧低下(麻酔中の収縮期血圧80oHg以下);何れも一過性(4、5%)
A血尿;導尿カテーテルによる。大半は顕微鏡的血尿(1、2%)
B不整脈;何れも一過性(0、5%)
C義歯の損傷・ぐらつき;挿入管の事故(0、1%)
D採取針の破損(0、6%)



 home(癌&癌のキーワード)>menu>急性白血病





     §7 病型分類/急性白血病


     
通常採用される、細胞学的分類はFAB(French-American-British)分類で、鑑別診断に重要なのはペルオキシダーゼ

     染色で、原則で3%以上陽性であるなら、骨髄性白血病を診断され、それ以下の陽性率or陰性ではリンパ性白血病

     と診断されます。エステラーゼ染色では骨髄性白血病を更に純粋な骨髄性のものであるのか、単球性であるのかを

     鑑別するために用いられております。




     
§7−1 急性骨髄性白血病の病型の分類

M1(急性骨髄芽球性白血病) 骨髄中の白血病細胞は顆粒球系の分化を示し、白血病細胞のうち3%異常がペルオキシダーゼ反応陽性である。あるいは芽球の仲にアズール顆粒、アウエル小体、を含んでいる。芽球の成熟傾向は認められない。(好中球の産生も御参考にご覧下さい)
M2(急性骨髄芽球性白血病/好中球分化を伴う) M2はM1と同様ですが、芽球が成熟傾向を示し、前骨髄球を超えて分化する。しかも白血病細胞はしばしば分葉化した核を持ち、細胞質の大きさも異なり、通常沢山のアズール顆粒、1個程度のアウエル小体を含んでいる。芽球の成熟程度は一様ではなく、様々な好中球系細胞を伴う。染色体異常ではt(8;21)転座がかなりの頻度で示される。(好中球の産生も御参考にご覧下さい)
M3(急性前骨髄球性白血病) 白血病細胞は大部分の細胞が顆粒の多い、異常な前骨髄球がほとんどであり、特徴的な細胞の核形態を示します。DICの合併やt(15;17)転座を高頻度に合併します。(好中球の産生も御参考にご覧下さい) 一つの事例も御参考にご覧下さい。
M3variant(M3v)(M3亜型) M3の一部では細胞内に顆粒が電子顕微鏡でしか確認できません。このためにM3亜型と呼ばれM3に比し、発症時の細胞数が多い事が特徴です。転座はM3と同様t(15;17)を示します。(好中球の産生も御参考にご覧下さい)
M4(急性骨髄単球性白血病) 芽球は顆粒球系と単球系の両方向への分化能を示しますが、骨髄、末梢血何れも同様の特徴が認められます。故に、M2との鑑別が重要になります。M4では前単球と単球の合計が骨髄or末梢血の有核細胞の20%以上です。前単球と前骨髄球を見分けるには特殊染色(エステラーゼ二重染色等)が必要になります。
M4Eo(好酸球増加を伴う急性骨髄単球性白血病) M4としての特徴を持ち、骨髄に形態学的に異常が好酸球が認められる場合にM4Eoと診断するもので、16番染色体の腕間位inv(16)という特徴的な染色体異常がある。予後は比較的良いが、中枢神経への浸潤はし易い。
M5(急性単球性白血病) M5には2つの亜型が存在します。未分化型と分化型であり、未分化型は細胞質は好塩基性で胞体に富み、時に偽足を持つ。前単球の割合は低い。一方分化型は、単芽球、前単球、単球と分化を示し、骨髄と比較すると、末梢血での単球の割合が高く、逆に骨髄では前単球の割合が高い。このタイプは皮膚、歯肉、などに髄外浸潤病変を形成し易い。
M6(赤白血病) 骨髄の有核細胞の50%異常を赤芽球系細胞が占めますが、赤芽球は核が分葉化したり、多核、断片化した核がある、大型化、など多様性に富み、巨赤芽球もみとめられる。骨髄系細胞では骨髄芽球、前骨髄球の増加やアウエル小体も認める事もある。
M7(急性巨核芽球性白血病) 芽球は、未熟な巨核球or巨核芽球の形態を示し、リンパ芽球に似ている。芽球のペルオキシダーゼ反応は陰性で、電子顕微鏡で血小板ペルオキシダーゼ陽性顆粒が存在するか、血小板抗原に対する抗体を使用して血小板由来糖蛋白が染色された場合に確定します。M7は骨髄線維症をしばしば伴います。(血小板の産生も御参考にご覧下さい)
M0(急性骨髄性白血病) 白血病細胞は形態上では骨髄芽球様で、細胞化学でペルオキシダーゼ反応陽性率が3%以下です。芽球の成熟傾向は認められず、リンパ性ではなく、骨髄性で有るとするのは、リンパ球抗原が陰性で、CD13ないしCD33陽性である事か、電子顕微鏡でペルオキシダーゼ陽性顆粒が存在する事です。M7タイプの急性骨髄性白血病との鑑別も必要になります。治療による寛解率は低く、寛解持続時間も短い。(好中球の産生も御参考にご覧下さい)

                                                         by  FAB分類



 home(癌&癌のキーワード)>menu>急性白血病




     
§7−2 急性骨髄性白血病の予後


FAB分類別予後
完全寛解率 4年無病生存率
M3 70〜90% 40〜60%
M3以外 60〜80% 40〜60%
高齢者急性骨髄性白血病の予後
完全寛解率 4年無病生存率
65歳以下 60〜80% 25〜50%
65〜69歳 50〜80% 10〜20%
70歳以上 40〜70% 10%以下
骨髄異形成症候群が先行した急性骨髄性白血病(MDS-AML)、二次性白血病の予後
完全寛解率 4年無病生存率
MDS-AML(下記 40〜65% 10〜20%
T-AML(下記 不明 10%以下
de novo AML(下記 60〜80% 25〜50%
染色体異常による予後
完全寛解率 4年無病生存率
予後良好群 70〜90% 40〜50%
中間群 60〜80% 25〜50%
予後不良群 50〜60% 20〜40%
ある事例では、肝硬変症を患う男性が、発熱と腹部膨満感で、大量の腹水貯留が判明したため、治療のため、腹水の穿刺が行われ腹水の細胞診が行われました。そこには無数の白血病細胞が発見され、続く骨髄検査で急性骨髄性白血病と診断された。末梢血に見られた白血病細胞は極少数でした。この事例では患者さんは亡くなられました。

     *他観点分類


     @骨髄の3系統に異形成を認めるか
     A骨髄異形成症候群の既往があるか

     @では異形成を持つ場合AML with tri-lineage myelodysplasia(AML-TMDS)と呼び、Aでは骨髄異形成症候群が

     先行した場合には正確には”骨髄異形成症候群から進展した急性白血病”であり、そうでない場合は”de novo AML”

     と呼ぶ。





 home(癌&癌のキーワード)>menu>急性白血病


     §8 急性リンパ性白血病


     
§8−1 急性リンパ性白血病の病型の分類


L1(急性リンパ性白血病・小細胞型) 細胞が、小型で均一であり、核は整っており、核小体は不明瞭。N/C(核/細胞質比)が大きく、小児に多い。予後不良
L2(急性リンパ性白血病・大細胞型) 細胞が大小不均一であり、核は不整せ核小体は不明瞭。N/C比が小さく成人に多い。予後不良
L3(急性リンパ性白血病・バーキット型) 大細胞で均一、細胞質内に多くの顆粒を持つ。
                                                            by  FAB分類




     
§8−2 急性リンパ性白血病の予後


     
急性リンパ性白血病でフィラデルフィア染色体(Ph1)t(9;22)が存在するものの予後は圧倒的に悪い。

     t(4;11)を持つものは、乳児で認められますが、やはり同様予後が不良です。成人では、ほぼ全てが予後

     不良とされるが、不明に点もある。成人リンパ性白血病では急性骨髄性白血病と同様に、年齢が高くなるほど

     予後が不良です。






     §9 その他の急性白血病


     
FAB分類では骨髄性かリンパ性の何れかに分類されるケースでも実際は、その中間の型のものがあります。ペル

     オキシダーゼ反応陽性でありながら、細胞表面マーカーがリンパ性であるorペルオキシダーゼ陰性でありながら、

     骨髄性白血病の細胞表面マーカーのパターンを呈する場合で、これを便宜上、混合型(mixed)と呼ぶ場合がある。





     
§9−1 腫瘤形成性白血病/緑色腫


まれでは有りますが、白血病の骨髄芽球は

腫瘤を形成する場合があります。深部臓器

、軟部組織、皮膚、頭頸部、骨、中枢神経

などに発生します。これは白血病の唯一の

初期症状である場合があり、放置すると半

数以上の患者さんで、数ヶ月以内に骨髄に

白血病細胞が増加するとされます。外科的

な療法では治癒せず、急性骨髄性白血病の

初発症例同様の療法(寛解導入療法)が行

われなければなりません。





     
§9−2 低形成性白血病


     
高齢者に認められる白血病で、汎血球減少症が、例外なくみとめられます。芽球は10%以下が殆どでリンパ球

     が増加しています。骨髄生検で骨髄細胞成分が50%未満、芽球は全有核細胞数の30%以上とされます。急性

     骨髄性白血病の5〜10%を占めます。




 home(癌&癌のキーワード)>menu>急性白血病






     
*白血球系の疾患/数的な異常と、質的な異常を診断するが、数的な異常は増加症・減少症があり、増加症は

     腫瘍性の増加でなければ(質的な以上を伴わなければ)、感染症に伴う白血球増加症のような生理的反応である

     ため、現疾患を特定する必要がある。一方、白血球減少症は感染し易くなるため、再生不良性貧血のように、

     赤血球減少や、血小板減少を伴うのか、は重要な所見になります。



     白血球の質的な異常の方は、白血病が最重要な疾患です。抗癌剤や骨髄移植などで予後は大きく改善されており、

     早期に診断し、治療を早期に開始できるか否かは、予後に与える影響も大きく、いかに早い対処が出来るかは

     重要な問題です。



     *
アウエル小体/骨髄芽球の細胞質にみられる、ピンクから青紫にそまる桿状or針状の構造物、急性骨髄性白血病

     に特異性が高い。


     *転座/染色体の一部分が切断、再結合あるいは交換によって、位置を変える現象で染色体構造異常の一つ。代表的

     なものは相互転座であり、広義にはその逆も含まれます。


     *
DIC/播種性血管内凝固(disseminated intravascular coagulation/DIC)は、全身の血管内に広範囲に血液凝固

     が起こり、微小循環の血栓による組織の壊死や、臓器不全がもたらされ、その一方で、凝固因子や血小板の消費

     による出血傾向が出現する症候群。DICは悪性腫瘍、感染症、産科疾患などに伴って出現する事が多く、白血病では

     急性前骨髄球性白血病で顕著に合併する。



     *
好中球

             -好中球の産生-
白血球の仲間では、好中球が最も多く、そ

の量は40〜60%を占めるといわれてお

ります。好中球の大きさは直径10〜15

μmであり、分葉した核を持っています。染

色液に染まり難いため好中球とよばれ、顆

粒内にミエロペルオキシダーゼやデフェン

シンなどの殺菌作用を持つ物質や蛋白質分

解酵素、加水分解酵素などを含む。好中球

の働きは、身体の中に侵入してきた細菌を

貪食して殺菌する事が大きな働きになる。



     *
血小板

            -血小板の産生-
血小板は2〜4μmの円盤状を下細胞で、

核は有りません。血液1μl中に20〜3

0万個の血小板がふくまれます。血小板は

巨核球の細胞質がちぎられてできます。血

小板はトロンボポエチンにより産生が促進

されます。






     * 急性前骨髄球性白血病事例/40歳代の男性が、高熱を伴う.部の腫れを訴えた。外科医は.周囲膿瘍

     と診断し、切開・排膿を行った。その際、緊急検査での白血球数は2万を超えていた。しかし、これは炎症を伴う

     白血球増多症と判断された。痛みは軽くなったが、発熱が続くため継続入院としたが、患者さんは突然痙攣を起

     こして亡くなった。病理解剖で患者さんの病気は、急性前骨髄球性白血病と判明した。末梢血に増えていたのは、

     白血病細胞であった。全身の臓器に白血病細胞が浸潤し、.周囲膿瘍は白血病が原因で感染を起こしやすく

     なっていたためと判断された。







      * ご覧になりたい項目の金色ボタンをクリックして下さい。ご希望のページへジャンプします。

頭頸部 脳腫瘍 上顎洞癌 舌癌 咽頭癌
喉頭癌 甲状腺癌 食道癌
胸部 肺癌 乳癌 縦隔腫瘍
腹部  胃癌 肝癌 胆嚢癌 胆管癌
膵癌 腎癌 膀胱癌 大腸癌
. .癌 膣癌 子宮頸癌 子宮体癌
子宮肉腫 卵巣癌 卵管癌 絨毛癌
前立腺癌 .腫瘍
全身性 神経芽腫 骨腫瘍 皮膚癌 多発性骨髄腫
急性白血病 慢性リンパ性白血病 悪性リンパ腫
成人T細胞白血病 慢性骨髄性白血病
その他 抗癌剤 転移・再発 疼痛緩和ケア ターミナルケア
腫瘍マーカー









 home(癌&癌のキーワード)>menu>急性白血病
-癌&癌のキーワード-
(C)allright reserved