大腸癌(結腸癌・直腸癌)・症状・検査

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大腸癌(結腸癌・直腸癌)・症状・検査・療法・転移・再発



   §1 大腸癌(結腸癌・直腸癌)


大腸各部位の名称

 大腸は結腸と直腸からなっておりますがこの結

 腸は盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S

 字結腸からなります。(大腸癌と直腸癌を分け

 る考える方も有りますがこのサイトでは大腸癌

 は結腸癌と直腸癌を含めて取り扱います。)

 その大腸壁の構造は粘膜、粘膜筋板、粘膜下層

 、固有筋層、漿膜下層、漿膜からなります。大

 腸粘膜のあるところではどこでも癌が出来ます

 が、S字結腸、直腸に特に多発傾向にあります。


 大腸癌はその成因によって、通常癌、遺伝性癌、炎症癌の3つに分ける事ができます。一般的にみとめられる癌が

 通常癌で全体の95%を占めます。(正常粘膜が癌化するde novo癌と前癌病変として生じた腺腫が癌化するものが

 あります。)遺伝性癌は家系内に大腸癌が多発するもので、常染色体優先遺伝する家族性大腸腺腫症(全大腸癌の

 1%未満)と、遺伝性非ポリポーシス大腸癌(全大腸癌の5%)が知られております。更には、長期の慢性大腸炎

 は大腸癌の合併が多く、因果関係が明らかなものは炎症癌といいます。(炎症癌の発生率が高いのは、長期経過

 慢性大腸炎、広範囲罹病型、高度炎症であり、これらは通常癌に比し、浸潤型、多発型、低分化型のものが多く、

 癌の周囲、離れた部位に異形成を伴います。炎症癌はその他、潰瘍性大腸炎、クローン病、腸結核、放射線性腸炎

 にも発症し得るとされます。
   遺伝的素因環境的要因も御参考にご覧下さい。)

 大腸癌は大部分が高分化型の腺癌で、他の消化管の癌に比べるとおとなしいといわれますが、上記の低分化型の

 腺癌は、未熟で、細胞の増殖がさかんであり、進行も速く悪性度は高いといわれております。

           大腸壁と大腸癌

 大腸癌は食生活の欧米化に伴い増加している事はよく

 耳にします。具体的には2004年度発表の「国民栄

 養の現状」では1950年を100としますと肉類は

 なんと10倍、脂肪分としては3倍と極端な突出をし

 ている食品や栄養素があります。米は半減、炭水化物

 としては2割程度減少しているようですし食物繊維の

 摂取量の減少もとても気になるところです。

 これらの事からも食生活に偏りが有ることは大きな危

 険があるとも認められなければならないでしょう。
 
   また、食品の中に発癌性物質とされるものを含有、添加されているものがある事も周知の事実ですね。大腸癌は遺伝因子

   よりも環境因子の比重の大きい癌と考えられております。大腸癌は60歳代をピークに70代、50代と続きます。欧米に

   比較し10歳ほど若い傾向があります。大腸癌という病気は原発性(大腸粘膜上皮から)と続発性(他臓器癌の直接浸潤、

   遠隔転移)に分類され原発性大腸癌は大部分腺癌です。結腸癌とも呼ばれ、前癌病変は腺腫(殆どがポリープ)、潰瘍性

   大腸炎、クローン病などが考えられ、家族性(遺伝子性)大腸ポリポーシスは殆ど100%が癌化するといわれています。

   大腸癌は増加傾向の著しい癌であり胃癌を抜くといわれており、癌の中でもその死因は男性で肺癌、胃癌、肝癌に次いで

   4番目、女性では1番目という気がかりなデータもあります。
大腸癌の再発はその80%以上が術後3年以内に発見され

   ます。そのため、術後5年以上再発しないで経過する事が一つの目安です。








   
§2 大腸癌の症状


   大腸癌の症状は血便、便が細くなる、残便感、腹痛、下痢と便秘の繰り返しなどの排便に関連する症状が多く、血便は

   中でも頻度も高く注意を要します。腹痛の場合は初期症状の約80%に差し込むような痛みがみられ、嘔吐を伴う事も

   有るとされます。血便の場合には便全体が暗赤色であったり、黒っぽい血液の塊が便に混じったりもします。ただ、

   痔疾患をお持ちの患者さんは血便を痔と勘違いしてしまう危険性があり、痔の治療中の場合は医師も間違える可能性

   があります。又、発病してから、2〜3年は自覚症状が無いともいわれております。これが、直腸癌になりますと、

   初期症状は.の出血であり、鮮やかな鮮血となります。やはり痛みは初期には殆ど無く、病巣の潰瘍が大きくなり、

   狭窄が進めば腹痛、膨満感、.や臀部の放散痛がおこります。




   
* 便秘・痔・癌;.からの出血は、 便秘や痔が原因だと決め付けて、判断を誤る事があります。高齢者の3割は程度

   の差こそあれ、便秘だといわれております。高齢者の便秘の多くは弛緩性便秘(腸管の働きの低下による)です。 排便

   の刺激や痛み・出血を伴う事が、 排便行為をより妨げ、便秘を悪くしている可能性もありますし、 痔などの.病変や、

    癌などの器質的な病変の存在の可能性もあります。軽く考えず、必ず専門医を受診する事が大切になります。






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§3 大腸癌の検査


   最も一般的に知られるものが便潜血検査ですね。便に血が混じっていないかを感度の高い方法(化学的、免疫学的方法)

   で調べるものですが、サンプリングには出来るだけ万遍なく採取される事も大切です。陽性であれば大腸や胃などの精密

   検査を実施する必要があります。免疫学的方法の二日法では早期癌で65〜79%、進行癌で85%が陽性を示すとされて

   おります。直腸の検査としては直腸鏡検査(.鏡検査)があります。.からファイバーを挿入して腸内を確認する検査

   で外来で比較的簡単に実施できます。この検査では直腸全体、S字結腸の一部まで確認でき大腸癌はこの部位に多発

   傾向がありますために、全大腸癌の50%が確認できるとされます。大腸全体を検査するためには注腸造影検査(注腸

   レントゲン検査)があります。.から大腸内へバリウムを注入し大腸全体の造影を行い大腸癌の存在、形態が診断され、

   直径3o程度のポリープも判定されますが、大腸癌であるか否かは細胞診による確定診断が必要です。その他.から

   盲腸まで内視鏡を使って観察する大腸ファイバースコープ検査があります。この場合ポリペクトミーという方法でポリープ

   発見の際にスネアを使い高周波電流で焼ききって摘除できます。これは有茎型のポリープですが、EMRという方法で

   広基型のポリープも生理食塩水で患部を隆起させスネアで焼き切る方法もあります。大腸癌の腸壁浸潤度を調べるには

   超音波内視鏡検査、大腸癌が他臓器などに転移、浸潤していないかはCT、MRI検査、肝臓などの転移を調べるのには

   腹部CT検査、腹部超音波検査などが、肺への転移確認にX線検査などがあります。





   
大腸癌関連検査値、基準値


   便性状便潜血




大腸癌早期型 大腸ポリープ多発箇所

    大腸ポリープは腫瘍性ポリープ(腺腫)と非腫瘍性ポリープの二つに大別され、腫瘍性ポリープが全体の8割を占め

    ます。このポリープは2pを越えると癌化してしまうとされ、内視鏡検査で5o以上のポリープが発見されれば、その

    場で切除するのが通常です。一方で非腫瘍性ポリープは大腸ポリープの2割ですが、過誤腫性ポリープと炎症性

    ポリープ、過形成性ポリープの3つにわけられます。これらは良性と従来されておりましたが、近年の研究で、中高年

    に多い、過形成性ポリープはまれに癌化することが明らかになっております。1cmを超えたら切除するか、あるいは

    細胞診による確認が進められております。



        -ポリープから癌化-           -de novo cancer-




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§4 病期分類/大腸癌


    
§4−1 TNM分類/大腸癌

T 原発腫瘍
 Tx 原発腫瘍の評価が不可能
 T0 原発腫瘍を認めない
 Tis 上皮内癌/上皮腫瘍又は粘膜固有層に浸潤*1
 T1 粘膜下層に浸潤する腫瘍
 T2 固有筋層に浸潤する腫瘍
 T3 固有筋層を超え、漿膜下層又は腹膜被覆のない傍結腸あるいは、傍直腸組織に浸潤する腫瘍
 T4 直接他臓器、又は他組織*2に浸潤する腫瘍、及び/又は臓側腹膜を貫通する腫瘍
     注1 Tisには腺基底膜内(上皮内)癌、又は粘膜固有層(粘膜内)に限局し、粘膜筋板を貫通して粘膜下層には至っていない癌を含む
     注2 T4の直接浸潤には漿膜を介し、他部の結腸、直腸に浸潤する場合も含まれる。例えば、盲腸癌がS字結腸に浸潤する場合など
N 所属リンパ節
 Nx 所属リンパ節転移の評価が不可能
 N0 所属リンパ節の転移梨
 N1 1〜3個の所属リンパ節転移
 N2 4個以上の所属リンパ節転移
     注 直腸周囲、又は結腸周囲の脂肪組織に存在する直系3o以上の腫瘍結節で、残存リンパ節転移の組織学的確証が得られない腫瘍は結腸周囲、又は直腸周囲の所属リンパ節転移に分類する。しかし、直径3o以下の腫瘍結節は原発腫瘍の不連続な広がりとしてT分類に分類する。(即ちT3)
M 遠隔転移
 Mx 遠隔転移の評価が不可能
 M0 遠隔転移なし
 M1 遠隔転移あり






   
 §4−2 TNM&Dukes分類/大腸癌

TNM Dukes
0期 Tis N0 M0
T期 T1 N0 M0
T2 N0 M0
U期 T3 N0 M0 B*
T4 N0 M0 B*
V期 Tに関係なく N1 M0 C*
Tに関係なく N2 M0 C*
W期 T、Nに関係なく M1
    * DukesBは予後の比較的良い群(T3N0Mo)と比較的悪い群(T4N0M0)を含んでいる。この事はDukesCでも同じ
    である。(Tに関係なくN1M0群とTに関係なくN2M0群)                  by UICC







   
§5 大腸癌の療法


   大腸癌は原則外科的切除です。早期であれば内視鏡的切除や手術により治癒します。少しの進行でも手術可能な時期

   なら、完全治癒も望めます。その意味で手術は効果的な手法であることがいえるとされています。進行癌であれば手術的

   治療を補助する意味で化学療法や放射線療法が併用される事があります。



   
* 大腸癌の手術と排便回数;大腸の生理的機能は水・電解質の吸収、便の貯留、便の排泄がありますが、大腸切除術を

   受けますと水・電解質の吸収や便の貯留は大腸の短縮に伴い、排便回数が増加します。一方、S字結腸、直腸の切除術

   を受けますと、便の排泄機能が損なわれる事があります。これは、便の排泄は括約機能に基づくもので、その神経が影響

   を受け、排便回数が増加します。(括約機能は下腹、骨盤、陰部神経の支配を受けています。)しかし、排便回数は、時が

   経過するに従い、少しづつ改善し、「一般的には一年程度経過しますと、通常の生活に支障のない程度には回復する」とさ

   れております。これは生理学的検査からも裏づけが取れております。(補足;近年の抗癌剤の治療が黎明のごとく、目覚し

   く向上しております。この抗癌剤の副作用により下痢も高率に確認されており、抗癌剤併用による下痢の影響を勘案するた

   め、適正量の見直しも指摘されております。)



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§5−1 転移・再発の治療/大腸癌


   
§5−1−1 転移再発の場合の治療/大腸癌


   大腸癌は近年、転移・再発した際の治療による延命効果が高くなってきました。(約30ヶ月程度)これは新薬の研究

   開発に拠るところが大きいわけですが、それらを組み合わせた多剤併用療法が開発されたことも大きく寄与しています。

   大腸癌は他の消化器系の癌と比し、手術効果が高く、患者さんが手術に耐えられるようであれば、再手術、再々手術も

   可能とされております。術後の定期健診を確実に実行すれば、転移、再発の80%以上は2年以内に発見できるとされ

   ております。ポイントは腫瘍が小さい時期に、発見する事に尽きます。粘膜内に留まる早期大腸癌はm癌、粘膜下層ま

   でで留まるものがsm癌といいますが、これらはしっかり治療できれば、再発の可能性は0〜3%と極めて低いのですが、

   癌がリンパ管に侵襲していたり、深部まで浸潤していたり、浸潤した先端部が悪性度を高くしているようであれば、転移

   リスクは高くなります。m癌ではリンパ節への転移は起こりませんが、sm癌の場合ですと、粘膜下層にリンパ管がある

   ため、一部の癌で、10%程度の確率でリンパ節転移が起こるとされます。大腸癌の転移・再発は手術が多いのですが、

   化学療法や放射線療法などが有効な場合もあるとされます。



   進行性の大腸癌では、初診時に既にリンパ節転移(50%以上)、肝転移(15%)、腹膜転移(5%)を認め、結腸癌で、

   肝転移(16%)、肺転移(6、3%)、腹膜・その他(4、6%)、直腸癌では肝転移(15%)、肺転移(13%)、局所再発(7、

   6%)、腹膜・その他転移(3、4%)が認められるという報告があります。リンパ節転移が多いのは大腸の動脈に沿って

   リンパ管があるためです。






   
§5−1−1−1 他臓器に浸潤する再発・骨盤壁再発/転移再発の場合の治療/大腸癌


   患者さんの状態を確認し(疼痛の有無・広がり、病変の広がり/CT、MRIなどの画像診断等)、切除手術が可能かを

   慎重に確認します。切除によるダメージが大きく、術後の合併症や機能障害の可能性もある為です。骨盤壁に再発した

   直腸癌では、骨盤内に限局し、遠隔転移がない場合に限り、手術適応(骨盤内臓器全的術、仙骨合併骨盤内臓全的術)

   となります。手術適応でない場合には、化学療法、放射線療法などがおこなわれます。





   
§5−1−1−2 吻合部の再発/転移再発の場合の治療/大腸癌


   早期に発見された場合であれば、切除術が基本です。小さな再発で、早期であれば予後も比較的良好とされます。



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§5−1−2 転移先により異なる治療方法/大腸癌


   直腸癌の転移・再発では局所再発、遠隔転移などがありますが、直腸癌での局所再発では、再切除による完治も期待

   できます。一方、直腸癌により遠隔臓器に再発した場合では、肺や肝臓の場合には切除する事もありますが、一般的

   には化学療法が選択されます。直腸癌は周囲に浸潤し易く、局所的再発が多いのに比し、結腸癌は遠隔臓器への転移

   や再発が、肝臓など特にかなり高い確率で起こります。肝臓への転移癌が小さく、数が少なければ手術で切除します。

   (5年以上の生存率は30〜40%あります。)手術が困難であればラジオ波やマイクロ波による焼灼法を行います。

   転移癌が大きい時や、数が多い場合には全身化学療法が選択されます。転移は肝臓に次いで肺があります。肺の転移

   癌が小さく、数も少ない場合には肺の部分切除も有りますが、切除が困難な場合には全身化学療法になります。





   
§5−1−2−1 肝転移の治療/転移先により異なる治療方法/大腸癌


   肝転移は大腸癌で一番多い遠隔転移です。転移巣が多数存在しない様であれば、手術適応です。診断も比較的早期

   に出来る様になっており、手術成績も向上しております。焼灼治療はマイクロウェーブ、ラジオ波治療があり、体外か

   ら穿刺し、癌細胞にマイクロウェーブを直接照射し、高熱で癌を凝固・壊死させます。腫瘍は約3cmまでのもので、マイ

   クロウェーブは1分間照射します。マイクロウェーブの代わりにラジオ波を使う方法では腫瘍の大きさは4pまでとされ

   ております。



   肝動脈内注入化学療法は、肝動脈内にカテーテルを挿入し抗癌剤を持続的に注入する方法で、切除不能な肝転移で、

   他臓器に転移がない場合に適用されます。フルオロウラシルを用いる事が多く、奏功率は30〜80%とされ、腫瘍の消

   失確率は2〜8%とされ、延命効果も治療しないグループと比しても認められるとされております。外来通院での治療が

   可能とされております。





   
§5−1−2−2 肺転移の治療/転移先により異なる治療方法/大腸癌


   肺転移は肝転移に次いで多い大腸癌の転移先です。他臓器に転移がない場合で、患者さんの状態が手術に耐えられ

   る様で有れば、手術を選択します。切除が可能であれば、手術を選択する事が薦められております。完全に切除でき

   れば、治癒するケースも比較的多いとされております。但し、肺の左右両葉に5個以上の転移巣があるときには、切除

   後の一年以内再発も多いとされます。


   切除が不可能であれば、全身化学療法が選択されます。フルオロウラシルロイコボリンの静脈注射や+イリノテカン

   の併用療法が行われますが、奏功率は25〜50%程度とされております。





   
§5−1−2−3 腹膜播腫の治療/転移先により異なる治療方法/大腸癌


   腹膜播腫の場合の多くは、他臓器転移を伴う事が多く、手術適応の場合は少ないといえ、化学療法や対症療法となり

   ます。腹膜播腫だけの場合には切除が可能です。化学療法ではフルオロウラシルロイコボリンテガフール・ウラシル

   +ロイコボリンフルオロウラシルロイコボリンCPT11などが標準的な組み合わせです。対症療法では腸閉塞

   (バイパス手術、ストーマ造設術、ステント)、腹水貯留(穿刺吸引)などや痛みには鎮痛薬の処方などがあります。




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§5−1−3 大腸癌への全身化学療法/転移・再発/大腸癌


   転移・再発における全身化学療法では近年の研究開発により、延命効果も2〜3年に延びています。治療を行わなけ

   れば、6ヶ月程度、フルオロウラシル中心の化学療法で1年程度でしたので、その効果がはっきりしています。併用

   療法にはフォルフォックス(FOLFOX)法フォルフィリ(FOLFILI)法などが海外の臨床試験の結果を受け、日本でも普及

   し始めています。これらは、どちらを最初に選択しても、効果が下がってきたら、他方の化学療法に変更して、更なる

   延命効果を期待するものです。ベバシズマブという分子標的治療薬の承認(新生血管の成長を抑える)されており、

   ベバシズマブとフォルフォックス、フォルフィリ法と組み合わせた投与がされています。延命期間の更なる延長が期

   待されています。但し、ベバシズマブには動脈血栓や、脳血管発作、心筋梗塞などの重大な副作用があります。アメ

   リカではパニツムマブ、セツキシマブという分子標的治療薬も承認されております。テガフール・ウラシルも使用されて

   おります。


   
* 大腸癌はその増殖に関わる蛋白質を攻撃し、癌細胞を縮小・増殖を抑えることに寄与する分子標的治療薬などの

   登場により、選択肢が広がっています。これは安全性などの調査が進んで、よりその裾野を広げています。多剤併用

   療法により大腸癌の平均的な生存期間も延びている結果もあります。ベバシズマブセツキシマブなどの分子標的治

   療薬の併用もそれに寄与する結果もでています。その一方で前述しました副作用ですが、ほかの抗癌剤との併用効果

   は大腸癌に多く確認される「Kras」という遺伝子に変異がある場合は明らかでないという事も、近年報告されており欧州

   でも変異がない場合に限り、薬を使用できるという形に承認が変更されました。日本での「Kras」遺伝子の検査は、一部

   の癌で保険が適用されますが、大腸癌にも適用されるように望まれています。セツキシマブは発疹などの皮膚症状やア

   レルギー反応などの副作用も報告されておりますが、国内での治験症例が少ないため、未だに使用は緊急対応などが

   可能な医療機関に限られております。特に初回投与の際に注意を要するとされます。ベバシズマブ(新生血管を抑制す

   る事によりがん細胞を縮小する目的で使用)の副作用は前述しておりますが、2008、10末に発表された調査結果では

   2700人の集計で、高血圧や出血が中心の結果が報告されており、重篤なものは14%であり、海外で報告されている

   結果と大差ないとされております。






   * 
多剤併用療法/フルオロウラシルロイコボリンオキサリプラチン(フォルフォックス法)、フルオロウラシル

   +ロイコボリンイリノテカン(フォルフィリ法)、フォルフォックス法+ベバシズマブ、フォルフィリ法+ベバシズマブ

   カペシタビンオキサリプラチンイリノテカンセツキシマブ







    
§5−2 外科的療法/大腸癌(結腸癌)



    
§5ー2−1 内視鏡的摘除/大腸癌(結腸癌)


    早期癌では多くがポリープ状の段階で有茎の大きさが20mm程度のものはポリペクトミーによる切除が出来ます。

    これは検査段階でポリープが発見されればその段階で切除が可能で患者の負担も大きく軽減される事になります。

    早期癌の60%位はこの方法で開腹する事無く摘除されております。





    
§5−2−2 局所切除術/大腸癌(結腸癌)

    .近くの直腸下部の早期癌は開腹しないで局所切除術が選択されております。経.的局所切除術は.の括

    約筋を切らないで摘除する方法で、経括約筋的局所切除術は括約筋を切って腫瘍を切除して後に括約筋を縫合する

    手術です。



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§5−2−3 腸管切除術/大腸癌(結腸癌)


    .からは切除できない直腸や結腸に発生した早期大腸癌は開腹し、腸の一部分と周辺リンパ節を同時に切除する方

    法ですが、近年では内視鏡を使って小さな傷で切除する腹腔鏡下、腹腔鏡補助下腸管切除術が主流となっております。

    その際には癌がどの程度であるかを病理学的に確認し、粘膜下層に浸潤していても浸潤の程度が軽度であるならば

    リンパ節への転移の可能性も殆ど無いということでそれ以上の手術の必要性の判断がされます。浸潤が深ければリン

    パ節転移の可能性を考慮し開腹してリンパ節の郭清を行ったり、必要な手術が追加されます。直腸の場合は直腸の

    切除を行いますが.は可能な限り残すように配慮されます。(単孔式腹腔鏡下手術もご参考にご覧下さい。)





    
§5−2−4 結腸切除術/大腸癌(結腸癌)


            大腸癌切除術例
上行結腸、盲腸の切除の場合は結腸の右半分を周

辺リンパ節と共に切除郭清し、右半結腸切除術

いう回腸と横行結腸を繋ぐ手術を行います。

下行結腸部分では左半分を切除してS字結腸と結

左半結腸切除術を行います。S字結腸に発生し

た癌の場合は、S字結腸を切除して下行結腸と直

腸を繋ぐS字結腸切除術を行い横行結腸の場合は

横行結腸切除術を行い上行結腸と下行結腸を繋ぎ

ます。







    §5−2−5 直腸切除術
/大腸癌(結腸癌)


    早期の直腸下部の癌は先に述べました様に開腹しない局所切除術が可能ですが進行癌の場合は二つの手術法があ

    ります。直腸切断術は直腸と.を同時に切除して人工.(ストーマ)を装着する方法で、もう一つは.括約筋を

    残して直腸を切除し、結腸と残った直腸、あるいは.管とを繋ぐ括約筋温存直腸切除術です。


直腸癌周辺模式図

 近年では以前のように直腸切断術より自然.を

 残す手術法が普及しておりますが、癌が.にま

 で及んでいる場合には.を温存する事は不可能

 といわざるをえません。直腸癌では手術の際に排

 尿機能や.を支配する自律神経を切断して根

 治性を高める考え方がありましたが、.、排

 尿機能障害が多く発生するためにこの自律神経は

 温存するようになってきております。





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大腸癌・結腸癌・直腸癌



    
* 直腸切除術例/大腸癌(結腸癌)


    
直腸はRs(直腸S状部)、Ra(上部直腸)、Rb(下部直腸)、P(.部)に分けられます。直腸癌の場合は、近傍

    骨盤部に膀胱、前立腺、子宮、膣、などの重要な臓器に、直腸が囲まれており、また、排尿、.に重要な自律

    神経系や、排便に重要な.括約筋など、繊細な機能、部位が存在するため、それらを傷付けますと、排尿障害

    や、.障害、排便障害なども起しその治療は難しいといえます。


       -経尾骨局所切除術-           -経.局所切除術-
      -内.括約筋部分切除術-           -低位前方切除術-
        -超低位前方切除術-            -直腸切断術-
          -前方切断術-
超低位前方切除術、内.括約筋部分切除術などは

なるべく.を温存する方向の手術です。前述の様に

、近年の.温存手術は80〜90%程度の比率で温

存方向となっております。.括約筋は排便をコント

ロールするため、内.括約筋、外.括約筋があり

ます。外.括約筋は意識して締める事の出来る筋で

あり、内.括約筋は無意識のうちに.を締めてお

ります。排便は自律神経の働きにより、内.括約筋

が弛緩し、この際に外.括約筋も弛緩する事により

、便を排泄しています。我慢できるのは外.括約筋

の働きにより可能な事となるわけです。


この括約筋を傷つけますと、排便はコントロールできなくなります。以前は困難であった、.括約筋温存手術は

近年、自動吻合器などの技術により、増加しております。それと同時に、.括約筋温存術も開発されており、スト

ーマ(人工.)の造設は激減傾向です。但し、人工.を避けるために、無理な.温存手術を行う事により、

癌の取り残しなどにより、再発する危険性も高くなり得ます。また、直腸周囲の自律神経系は交感神経と副交感

神経からなっておりますが、この両神経のバランスの上に、直腸、.、泌尿器、.はコントロールされて

います。手術によりこの神経を傷つけてしまいますと、排便障害、排尿障害、.障害(セ ス、セ ス)などが

起こる事は前述いたしました。このため、自律神経温存術は近年では殆どのケースで行われております。しかし、

この自律神経に癌が浸潤している場合には、無理に神経を残した事による、再発が起こり得ますし、温存手術を

実施したとしても、必ずしも、障害が出ない保証は有りません。極めてデリケートなのが自律神経です。







   
§5−3 化学療法/大腸癌(結腸癌)


   ある程度進行した癌は根治的な手術をしても目に見えない癌細胞が残っている事があり、再発を防ぐ為に抗癌剤が用い

   られております。また、手術で癌が取りきれなかった場合や、手術後の再発の場合で再手術では切除できない病変に対

   しても抗癌剤が用いられる事があります。

   (抗癌剤;イリノテカンティーエスワンなど)大腸癌は抗癌剤による症状の緩和が期待できる癌とされます。




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§5−4 放射線療法/大腸癌(結腸癌)

   大腸癌の中でも特に直腸癌に対して根治性を高めるため術前、術中、術後放射線療法を行う事がありますが、欧米では

   術前放射線治療は極普通に行われており、人工.が避けられる、切除不能な癌も可能になる、生存率も改善するなど

   の成果が得られております。下記に示しますように結腸癌と直腸癌の日本と欧米とではその療法は、少し対応が異なりま

   す。

療法
切除可能な場合の療法対応 切除不可の場合
結腸癌 欧米 手術と抗癌剤併用療法 抗癌剤
日本 手術と抗癌剤併用療法 抗癌剤
直腸癌 欧米 術前放射線療法・手術・抗癌剤 抗癌剤
日本 手術・リンパ節、リンパ管系列郭清術・抗癌剤 抗癌剤






   
§6 大腸癌と食物繊維


盲腸周辺構造

食物繊維は大腸の内容物の嵩を増やし、便秘にな

らないように働いたり大腸粘膜に接触する時間や

機会を減らし、繊維そのものが腸内細菌の働きを

活発化させて発癌性物質が出来るのを抑制すると

考えられております。滞留時間が多く、状態が悪

ければ腐敗産物が多くなり、ために腸は栄養の吸

収が悪くなるだけではなく、有害物質や毒素や腸

壁から血管に入り、全身を循環します。その事は

他の病気も誘発します。








    §6−1 食物繊維と大腸癌発生率は強い相関があります

        排便量と排便周期
排便量 g/回 排便周期
アフリカ先住民族 400〜500 20〜30時間
英国 50〜130 70時間〜5日
                                                        by england






    §6−2 食物繊維摂取量と大腸癌発生率


食物繊維摂取量 大腸癌発生率
 10万人当たり
アフリカ先住民族 100 4人
スコットランド 25 53人
米国 30 42人
日本 50 13人
         

    さらに、食物繊維が腸内に達した後、腸内細菌が食物繊維を餌にして作る短鎖脂肪酸という物質が糖分をエネルギ

    ーに変えるための回路をブロックして脂肪燃焼回路を優先させる事が分かってきたそうです。




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 §6−3 「食物繊維が善玉菌の活動を活発化」


    食物繊維は便の嵩を増やし腸壁を刺激して蠕動運動を促し、食物のかすを排出します。さらに不溶性食物繊維、水溶

    性食物繊維の働きで腸内細菌の悪玉菌を抑制し、善玉菌の活動を活発化させます。排便回数が増加すれば腸内は

    健康に保たれ便の滞留に伴う様々な諸症状を軽減し、快適になっていくのは容易に理解できますね。


           大腸憩室断面模式図

「腸内を汚染すると」


汚染原因である有害物質や毒素はウェルシュ菌な

どの悪玉菌が蛋白質やアミノ酸を分解して生成す

る腐敗産物で、便秘・下痢の原因となり、痔を悪

化させたり虫垂炎、憩室炎、大腸癌、大腸ポリー

プなどの病気の原因にもなります。(大腸憩室は

左図をご覧下さい。)大腸憩室は圧抵抗に脆弱な

、腸管壁が嚢状に外側に突出するもので、血管の

出入部位は特に脆弱で、憩室好発部位です。

憩室の好発因子としては結腸の攣縮、便秘、食物繊維不足以外に、加齢による血管変化、脂肪沈着、筋組織の脆弱

化が上げられております。大腸憩室は無症状の事が多いですが、あえて申し上げますと、下痢、軟便、便秘という様

な便通異常、腹部膨満感、不快感、腹部鈍痛などが主なものです。




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    §7 大腸癌の危険因子と予防因子 環境的要因


大腸癌罹患危険因子 大腸癌罹患予防因子
高脂肪・肉類・砂糖・卵・焦げた肉・蛋白質過多・アスベスト吸引・大腸癌家族歴・高身長・未産婦(出産経験が無い)・潰瘍性大腸炎・大腸ポリープ歴、過去に大腸癌手術歴、胆嚢摘出歴あり・喫煙・飲酒(ビール) 食物繊維・穀物・野菜・果物・魚・海産物・カルシウム・ビタミン・運動・多産経産婦・経口避妊薬使用経験がある・非ステロイド系消炎鎮痛剤

    大腸癌の原因は明確には判明しておりませんが、食生活と密接な関係があることは自明の理です。この様な段階では

    大腸癌の危険因子や予防因子を充分に考課して、バランスよく摂食しビタミンなども上手に取り入れる事も大切です。実

    際に高蛋白・高脂肪食(特にウシの過剰摂取)は胆汁酸やコレステロール代謝産物を増加させ、更に腸内細菌によって

    発癌性物質に転換される。低線維成分の食事は便秘になりがちのため、発癌性物質への暴露時間を長くすると考えら

    れています。アスピリンなどの非ステロイド抗炎症薬の常用者に大腸癌の発生が少ない事が、疫学的に証明されている。

    米国では近年、大腸癌の発生率が低下しています。それは喫煙率の低下、脂肪摂取量の減少、運動などが普及してい

    るのが原因の様です。



    
    * 「喫煙歴のある人は、喫煙歴のない人に比較した場合大腸がんを発症する危険性が、18%増加する」という報告が

    イタリアのグループからなされました。米医学誌に載せられたその報告では喫煙は発症を10万人当たり、年間10、8

    人増やすと推定しており、特に喫煙30年以降は、一日の喫煙本数が多いほど大腸癌の発症率が高いというものです。

    また、大腸癌による死亡の危険性は、喫煙歴のある人がない人より25%高く、喫煙は死亡を10万人当たり年間6人増

    やすと推定しています。発症・死亡ともに結腸癌よりも直腸癌の方が関連が強いとも報告しております。(これは各国の

    関連論文を収集解析したものです。)




    * ビタミンD;ビタミンDが欠乏しますとくる病、骨粗鬆症などを引き起こす事は、知られるところですが、近年、ビタミンD

    は癌細胞の増殖を抑える・普通の細胞の様に死なせる・転移する際に血管を作るのを阻むという事が、 細胞レベルの

    実験で判明してきました。 私たちの体の多くの臓器にはビタミンDを受け入れる受容体があります。ビタミンDは血液に

    入って全身をめぐり、受容体にくっつき、臓器の細胞の働きをコントロールしているという。一方、カルシウムは腸で発癌

    性のある胆汁酸に結合し、便への排泄を促す。ところで、ビタミンDを一日10μg以上摂取し、屋外でよく活動する人は、

    一日7μg以下の摂取で、屋外であまり活動しない人に比べ、大腸がんリスクが低い事がわかった。そこで、知っておき

    たい事と致しまして、ビタミンDは体内で作られる場合には、過剰産生される事はないが、サプリメントなどで摂取する場

    合には、摂り過ぎると中毒症状が起きる可能性があるという事。又、参考として、他の癌・糖尿病・結核・自己免疫疾患へ

    の効果を示唆するデータも出ているという事も合わせて知っておかれると良いかも知れません。 ビタミンDの多い食品と

    してはしらす干、キクラゲ、鮭、鰹、秋刀魚、鰻などがあります。







    §8 大腸癌とステージ


                         -大腸癌のステージ別生存率-






 大腸癌の治療成績は比較的良いほうと考えられてお

 りますが、その生存率を分けるのは何と言っても早

 期発見が鍵になります。左図をご覧頂いても一目瞭

 然ですが早期大腸癌であれば相当良好な治癒率とい

 えます。しかし、実態は病院を訪れる患者の1/5が

 肝臓などの他臓器に転移をしている状態です。早期

 発見の場合の結腸癌なら5年生存率は80%超、直

 腸癌でもそれをわずかに下回る程度の状況になって

 おります。




 * 左図(ステージ別大腸癌生存率)は近年の集計資料

 です。 ご参考にご覧ください。ステージT〜Vにつきま

  しては大きく改善されている事がわかりますが、ステー

  ジWにつきましては、依然厳しい状況です。


* 全国の癌治療の中心的な病院が加盟する「全国癌センター協議会」では、胃癌、肺癌、乳癌、大腸癌の治療5年

後の生存率を発表しました。それによりますと大腸癌は山形県立中央病院(78、5%)、県立癌センター新潟病院

(68、5%)、大阪府立成人病センター(87、6%)、宮城県立癌センター(65、3%)、福井県立病院(63、8%)、

神奈川県立癌センター(66、5%)、四国癌センター(66、8%)、国立癌センター中央病院(★75、7%)となって

おります。(受療者のステージなどは分かりませんので、一概にこの数値の評価はできません。★は手術症例の

みのデータです。)

大腸癌のステージ

結腸癌でデュークスA(ステージT)で癌が固

有筋層にとどまる状態でリンパ節転移が無い場

合の5年生存率のかなりの高さを考えますと定

期健診を欠かさず、定期健診の合間でも症状を

感じるのなら早期受診による早期発見、早期治

療が肝要です。




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    §9 大腸癌と多発箇所・症状


            大腸癌多発箇所  
-大腸癌の部位別症状-
症状 比率
直腸・. 出血(血便) 66.8%
便秘・下痢 27.9%
腹痛 09.4%
腹部膨満 02、9%
無症状 01.8%
貧血 01.7%
腹部腫瘤 00.4%
下行結腸・S字結腸 出血(血便) 46.6%
便秘・下痢 34.0%
腹痛 33.5%
腹部膨満 11.2%
腹部腫瘤 04.2%
貧血 02.7%
無症状 02.2%
盲腸上行・横行結腸 腹痛 54.1%
便秘・下痢 18.7%
腹部腫瘤 16.7%
出血(血便) 16.2%
貧血 13.8%
腹部膨満 09.7%
無症状 02.1%
            

            -大腸粘膜模式図-






   §10 大腸癌と間違い易い病気


痔核(イボ痔)
.の外側に出来る外痔核と、内側に出来る内痔核があります。内痔核の出血は特に、大腸癌による血便と混同される事が多い。大腸癌は血液が線状に便に混じる事が多いが、内痔核の場合には、血がポタポタと滴り落ちる事が多い。内痔核と大腸癌の療法を持っている場合も有りますので、専門医の診断が大切になります。
痔瘻
硬い塊が.の周りに出来、抑えると痛みを感じたり、膿も出る事もあります。膿が多量に溜まれば、.周囲膿瘍となることもあります。痔瘻は長期間放って起きますと痔瘻癌になることもあります。
.周囲膿瘍
.の周りが化膿し、膿が溜まっている状態で、徐々に腫れ、重苦しい感じが、咳やクシャミで、強い痛みを感じるようになります。膿瘍が破れれば、痛みは引きますが、放置により膿は溜まり、再発します。
.ポリープ
.に出来た炎症性のポリープで、硬いイボが出てきます。多くは切れ痔と合併し、内痔核と合併する事もあります。.ポリープ自体は癌化しませんが、直腸ポリープとの鑑別が難しいケースがあります。
その他の.の病気
裂肛/切れ痔の事で、排便時に痛みや出血を伴います。慢性化すれば、.の外側にイボ状の突起物が出来、排便の都度、脱肛もします。

.狭窄症/.が狭窄しているために便が出難く、お腹もはり、苦しくなります。原因は裂肛や.手術による、瘢痕が原因の場合もあります。

コンジローマ/ウィルスが原因の.周囲のイボで、焼灼するか、液体窒素により凍結させて腐らせ、除去します。

直腸脱/直腸が裏返しに、.外に出てきます。出産などで骨盤内部の臓器の固定が緩くなる事により起きることがあります。





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     * de novo癌/正常上皮が癌化する過程には2説あります。一つは多段階ステップ(前癌病変)を経て、発癌する

     多段階発癌説と正常上皮が前癌病変を介さず、直接的に癌が生じるde novo(初めからor新たにの意)癌説があり

     ます。欧米では大腸癌の殆どが多段階発癌説である腺腫-癌相関によって発生すると考えられておりますが、わが国

     では、それらと遺伝子異常の背景が異なる平坦陥凹型大腸癌が大腸de novo癌の候補病変として注目されております。






     * 遺伝的素因/遺伝性大腸癌として家族性大腸腺腫症と遺伝性非ポリポーシス大腸癌が知られているが、家族性

     大腸腺腫症と多くの通常癌は、腺腫を前癌病変として発育進展するとされ(多段階発癌)、それは正常粘膜→腺腫

     →癌→転移という発育段階で特異的な遺伝子異常(癌遺伝子と癌抑制遺伝子の異常)が関与していると明らかに

     されており、遺伝性非ポリポーシス大腸癌ではDNA複製時に起こる複製異常を修復するDNA修復遺伝子の先天的

     異常が原因であると明らかにされている。(by Vogelstein)通常癌の一部も同様の機序で発生する事も示されて

     おります。わが国で多く発見されるようになった平坦陥凹型大腸癌は腺腫成分を持たず、早い段階から深部浸潤

     するため、de novo癌と考えられており、その遺伝子以上も家族性大腸腺腫症や遺伝性非ポリポーシス大腸癌とは

     異なっているとされております。






     * フォルフォックス4法/ロイコボリン(200mg)を2時間かけて静脈に投与・フルオロウラシル(400mg)

     を静脈に急速投与・更にフルオロウラシル(600r)を静脈に22時間かけて持続点滴・オキサリプラチン(85mg)

     を2時間かけて静脈に投与→2日目はオキサリプラチン以外を行い、これを2週間ごとに繰り返す。




     * フォルフォックス6法/ロイコボリン(400mg)を2時間かけて静脈に投与・フルオロウラシル(400mg)

     を静脈に急速投与・更にフルオロウラシル(2400〜3000mg)を静脈に46時間かけて持続点滴・オキサリプラチン

     (100mg)を2時間かけて静脈に投与→これを2週間ごとに繰り返す。





     * フォルフィリ法/ロイコボリン(400mg)を2時間かけて静脈に投与・フルオロウラシル(400mg)

     を静脈に急速投与・更にフルオロウラシル(2400〜3000mg)静脈に46時間かけて持続点滴・イリノテカン

     (180mg)を90分かけて静脈に投与→これを2週間ごとに繰り返す。







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