皮膚癌(皮膚ガン)・症状・検査・治療

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皮膚癌・症状・検査・治療・有棘細胞癌・基底細胞癌・悪性黒色腫・注意点・前駆症・予防



     
§1 皮膚癌(皮膚ガン・皮膚がん)


     
皮膚癌は一般に日光に曝されている顔面や、四肢に発生することの多い癌です。癌は何れも痛みの無いしこ

     り(腫瘤)や、潰瘍を作る事が多い。この様に皮膚の表皮から発生する皮膚癌は、有棘細胞癌基底細胞癌

     悪性黒色腫などがあります。有棘細胞癌は前癌病変状態があり、これを放置していると癌化してきます。


     また、ボーエン病ページェット病日光角化症放射線角化症白板症ウィルス性腫瘍色素乾皮症など

     の様に前駆症とされる癌病変があります。やはりこれらを放置しますと癌化します。前癌病変には顕微鏡レベ

     ルで確認すると、既にそこに癌細胞が発見される表皮内癌と将来癌になる可能性のある病変があります。シミ

     やイボなど様々な前癌病変を見逃さないで、医療機関に早期に受診する事が、早期発見に繋がります。





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§2 有棘細胞癌/皮膚癌(皮膚ガン・皮膚がん)

            -皮膚構造模式図-
表皮の有棘細胞から発生する皮膚癌で

、露出部分に好発します。好発年齢は

60歳代で、様々な前癌病変が有りま

すので、これを見逃さない様にしまし

ょう。原因不明のものも多々有ります

が、前癌病変としてはやけど、外傷跡

の瘢痕、放射線障害、日光角化症、ボ

ーエン病、慢性炎症、膿皮症、化学物

質を誘因するものなどが指摘されてお

ります。イボ状、小腫瘤、ほくろ様腫瘤

などから癌化する事もあります。

発生頻度は一時減少傾向にありましたが、又、近年増加傾向にあります。男性よりも女性に少し(1、5倍

程度)多い癌ですこれを放置しますと、

リンパ節や内臓に転移をします。リンパ

節転移は70%程度の方は、治癒すると

いわれておりますが、内臓への転移では

死亡することもあります。






§2−1 症状/有棘細胞癌/皮膚癌


通常は痛みも痒みもありません。しかし

細菌に感染して炎症を起こしますと、軽

度の痒みや発赤、悪臭が確認される事が

あります。



§2−1−1 やけど・怪我の瘢痕/症状


やけどや怪我の瘢痕が潰瘍になったり、

           -皮膚構造拡大模式図-
あるいはその後、癌に移行したりします。瘢痕は専門医の診断を受けて、適切に治療しなければなりません。





     
§2−1−2 放射線障害/有棘細胞癌/症状/皮膚癌(皮膚ガン・皮膚がん)


     
放射線により細胞はやけどを負い、硬くなって、慢性放射線皮膚炎を起こし、皮膚はいぼ状の角化現象を起こし

     ます(放射線角化症)。これが癌化を誘因します。





     
§2−1−3 日光過敏症/有棘細胞癌/症状/皮膚癌(皮膚ガン・皮膚がん)


     
近年の紫外線の強さが気になる毎日ですが、日光角化症は最近増加傾向の疾患です。これは皮膚が日光に

     より、シミやソバカスのように褐色斑が出来てしまうもので、これが角化し赤みを帯びるものです。白色人種は

     この日光角化症の発生頻度が高く、有棘細胞癌の大部分がこの日光過敏症によるものとされ、日本でも急増

     しております。



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§2−2 検査・治療/有棘細胞癌/皮膚癌(皮膚ガン・皮膚がん)


     診断は容易に付けられますが、確定するために病理組織学的な検査が必要な場合もあります。外科療法は手術

     以外にも、 液体窒素を用いて癌組織を破壊する凍結療法、 電流により、癌細胞を破壊する電気凝固などがあり

     ます。放射線療法、化学療法共に感受性のある癌で効果を発揮します。早期に外科療法を実施するのが、以後の

     治療の負担を軽減する良い手段とされております。






     
§3 基底細胞癌/皮膚癌(皮膚ガン・皮膚がん)


     
基底細胞癌は顔に出来る癌です。基底細胞癌は局所で浸潤性に発育します。転移する事はありませんが、老人の

     顔面に黒いしこりや難治性潰瘍を作ります。 鼻の周辺や下瞼の下部、上唇などにでき易く、紫外線が関係している

     と考えられております。有棘細胞癌のような多彩な誘因はなく、放射線障害、日光過敏性皮膚疾患(色素乾皮症など)

     が原因とされます。40歳代くらいから確認される様になりますが、高齢になるほど増加します。局所再発を繰り返し、

     部分脱落(鼻や唇など)する事さえあります。



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§3−1 症状・治療/基底細胞癌/皮膚癌(皮膚ガン・皮膚がん)


     
基底細胞癌は初期は黒紫色の盛り上がった丘疹でほくろとよく間違えられます。痛みも痒みも無く軽く考えがち

     です。

基底細胞癌は褐色斑、黒色斑、黒色腫瘤、

中心部ただれ、浅い潰瘍、辺縁部が堤防状

に盛り上がる腫瘤です。この癌は切除する

必要がありますが、顔面のために出来るだ

け範囲を狭くして切除したいのですが、病

巣をとり残したりしますと、その部分の組

織が脱落する事があり、注意が必要です。

放射線療法は効果があるとされますが、化

学療法の適用は殆どありません。






     
§4 悪性黒色腫(メラノーマ)/皮膚癌(皮膚ガン・皮膚がん)


     
悪性黒色腫はごく初期から転移する性質を持ちます。ほくろや黒あざ、表皮の基底層の色素細胞が癌化した

     もので、40歳代から増加傾向を示す癌です。真っ黒な腫瘍が周りの皮膚にしみだすように大きくなるのが特徴

     で、かつて多かった男性を、近年では女性がしのぐ傾向があります。足のうら、指あるいは側面部に発生し易く、

     まず鼠頸部のリンパ節に転移します。センチネルリンパ節生検が行われます。顕微鏡的にほくろとの鑑別が問

     題になります(上皮内黒色腫との鑑別が特に難しい事が多い)。 皮膚のみならず、口腔、鼻腔、.、髄膜、眼

     球にも発生します。

     極めて悪性の腫瘍です。悪性黒色腫には悪性黒子黒色腫、表在拡大型悪性黒色腫、結節型悪性黒色腫、末端

     黒子型黒色腫があります。



     ある事例では、40歳代女性が黒い鼻汁が出る為、鼻汁の細胞診を実施し、多量のメラニン色素貪食細胞と共に、

     少数の大型異型細胞が確認されました。メラニンは皮膚の髪の毛の黒色の元になる色素で、メラニン産生細胞由

     来の癌は悪性黒色腫です。悪性黒色腫の可能性があるため、腫瘍マーカー(HMB45)に対する免疫染色を施し、

     陽性所見が得られた。 ただ、黒い鼻粘膜の生検では、明らかな悪性黒色腫細胞の増殖を確認できず、経過観察

     になった。 その後3回目の生検で、浸潤性に増殖する悪性黒色腫の存在が確認された。 部位と広がりが特殊で、

     手術適応は無かった。この患者さんはその後、急速に肺や肝臓の全身臓器転移で亡くなられた。



     
* メラノサイトというメラニンの色素を作る細胞が悪性化したものが悪性黒色腫(メラノーマ)です。ホクロが急にい

     びつになったり、大きくなったりした場合には注意が必要です。 ホクロの色が、青や赤、白く変色する場合も同様

     に注意が必要で、多くは、手の指の先、脚の指、裏に発症する傾向があります。



     
* 免疫療法;人に本来備わっている免疫力を利用し、薬効を最大限維持し、副作用は軽減する治療法が求められ

     ておりますが、 癌細胞だけを殺すキラー細胞を誘導するため経皮免疫療法を活用したメラノーマ治療の開発、研

     究が行われている。 人夫々、 癌細胞と結合してキラー細胞を誘導する組織適合抗原(HLA/A02、B11、C23など)

     を持っている。メラノーマの場合にはA02、A24のタイプの人は、経皮免疫療法で治療を受けることが出来るとされ

     ます。この2タイプの場合で、約8割の患者さんがカバーできるとしています。(経皮ペプチド免疫療法というワクチ

     ンを皮膚に貼るだけの療法で、注射や薬も投与されません。) 海外では皮下ワクチンとして注射で投与されていま

     す。現状では、治療の効果発現までに時間がかかる(キラー細胞が出現するまでに5〜6ヶ月かかる)問題点があ

     るとしており、これは、免疫増強剤が開発されれば、より早い効果の発現も期待できるのではないかと報告しており

     ます。




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§4−1 悪性黒子黒色腫/悪性黒色腫/症状/皮膚癌(皮膚ガン・皮膚がん)


     
悪性黒子黒色腫は紫外線が原因とされ、褐色斑が出来て、しばらくするとこれが黒色になります。経年の

     後(数年〜数十年)かかってこの黒色斑上の一部が硬結したり(硬いしこりになります。)、小さな腫瘤がで

     きます。顔や首などの露出部分にできます。高齢の方にでき易く、メラノーマ全体の3〜5%といわれ、増

     加傾向です。メラノーマの中では予後の良い癌ですが、手遅れや、適切な治療を受けられなければ予後不

     良です。





     
§4−2 表在拡大型悪性黒色腫/悪性黒色腫/症状/皮膚癌(皮膚ガン・皮膚がん)


     
表在拡大型悪性黒色腫は全身のどこにでも発生する癌で、黒色〜褐色の初期扁平のあるいは一部腫瘤のでき

     ている事もある癌です。悪性黒子黒色腫より予後の悪い癌とされております。好発年齢は50歳代以上でメラノー

     マの15〜20%程度で、予後が悪性黒子黒色腫より悪いとはいえ、他のメラノーマよりは良いとされております。





     
§4−3 結節型悪性黒色腫/悪性黒色腫/症状/皮膚癌(皮膚ガン・皮膚がん)


          -結節型悪性黒色腫模式図-
結節型悪性黒色腫は転移の速い癌です

。身体のどこにでも出来、その病変部

の形状は半球状、山なり状、有茎状、

扁平隆起状など、初期より盛り上がっ

た形状をしています。好発年齢は50

歳代以上で、予後の最も悪い癌です。

メラノーマの40%を占めます。早急

な診断と治療が必要になります。




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     §4−4 末端黒子型黒色腫/悪性黒色腫/症状/皮膚癌(皮膚ガン・皮膚がん)


     
末端黒子型黒色腫は日本人に多い癌です。肢端黒子状悪性黒色腫とも呼ばれ、足底に出来易い癌です。その

     他、指の間、.部、爪の下などにも発生します。メラノーマの40%を占め初期は斑状から始まり、結節、潰瘍と

     いう段階で進行し、足底に出来た場合には、一見タコや魚の目と間違える可能性があります。これが出来た場合

     には、よく観察しますと周囲に黒い斑があるために見分ける事ができます。予後は結節型悪性黒色腫に次いで

     よくないとされております。足底の皮膚の斑が分からなくなるほど放置してはいけません。





     
§4−5 検査・治療/悪性黒色腫/皮膚癌(皮膚ガン・皮膚がん)


     
悪性黒色腫は皮膚の状況を見れば殆ど診断がつきますが、診断が難しければ、組織を採取して診断を確定し

     ます。但し術前の生検は、病巣を刺激して、全身に癌を広げる恐れがあるとされ、実施しません。メラノーマの

     場合は、当初の症状が良性なのか、悪性なのか区別が付かない場合があり、安易に切除したりしてしまうと、

     悪性の場合には予後が急速に悪くなるとされ、やり直しは効きません。従いまして、最も大切なことはその治療

     方法が適切である事が求められます。安易に考えず、信頼のおける医療機関で、適切な診断を受け、最初の処

     置を受けられるようにしなければなりません。治療は安全を考慮し、初期の段階で広範囲に切除する事になり

     ます。病巣が進行している場合には化学療法も併用されます。進行期では化学療法や養子免疫療法なども選

     択肢として考慮されます。



     
* 経皮ペプチド免疫療法;これはペプチド(癌細胞ペプチド、微生物ペプチドなど)を、注射針を使わずに、皮膚の

     表面から浸透させる方法です。
この方法により、患者さんの生存率が上がっているという報告がなされました。こ

     れは、皮膚のランゲルハンス細胞に情報を伝えることにより、 癌細胞やウィルス、原虫感染細胞を障害する細胞

     を誘導する考え方です。これにより、自己免疫力を高める治療が実践されます。この方法は皮膚表面からペプチ

     ドを浸透させる考え方のため、安全で簡便な方法であると報告されております。


     
経皮ペプチド療法の具体的方法/手術用の接着剤を使用して(5cm角の正方形プラスチック板を上腕、大体の内

     側部の合計4箇所)、皮膚角層を除去し(3回繰り返して約80%の皮膚表面角層が除去できる/一時的に赤くなる

     が、痛みは伴わないと記述されております)、剥離24時間後に剥離表面に患者さんのHLAに結合するペプチド溶

     液を塗布し、テープで固定、密封し、(この部位は濡らさない様に注意する)さらにその24時間後に塗布部位をふ

     き取り、ペプチドを除去する。癌の進行状況に合わせて、この操作は1回/月程度実施する。


     『
補足;皮膚の最外層の、いわゆる「フケ」を剥がします。(角層は体に悪いものを防ぐ、バリアの役割を果たします

     /分子量500以下のものしか通さない。)癌細胞ペプチドは分子量が1200程度ある為、このバリアを薄くする必要

     があります。 その後患者さんに適合した癌細胞ペプチド(メイジ2、メイジ3、GP100など)を塗布したテープを、皮

     膚の薄くなった部位に貼り、密封します。施術頻度は1回/月であり、回数を増やすと、逆にキラー細胞が出難くな

     る。 皮膚表面から浸透した癌ペプチドはランゲルハンス細胞 (皮膚には樹状細胞の一種、ランゲルハンス細胞が

     多数存在する。)の樹状細胞に結合し、樹状細胞は癌細胞を攻撃する指示を出す。 指示を受けたリンパ球はキラ

     ー細胞に変わり癌細胞を攻撃する。 キラー細胞の出現はかなりの確率で出る。ステージV〜ステージWの患者

     さんを対象に確認(23人/24人でキラー細胞の出現を確認)→PETやCT検査で癌細胞の数を減らしたり、転移の

     可能性を抑制できた結果も残し、副作用は尋常性白斑を除き、局所・全身共に見られなかったと報告されておりま

     す。』





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§4−6 悪性黒色腫の注意点/皮膚癌(皮膚ガン・皮膚がん)


     
悪性黒色腫の早期発見にはどんな事に注意すればよいのでしょうか?


     @大きさの変化の具合をよく観察し、記録する。病変は2〜3年で倍近くなります。当初の大きさはどのくらい

     あるのかを、必ず記録しておきましょう。


     A色調の変化が褐色から黒色になるなど、あるいは褐色と黒色の混じったような色調になるなどを注意して確認

     する必要があります。


     B形状が扁平であったものが、でこぼこの不整になる、辺縁が不整になる。



     以上の変化が短期間に同時に起こったら早期に受診し診断を受けなければなりません。





     
§5 前駆症/皮膚癌(皮膚ガン・皮膚がん)


     
前駆症と呼ばれる病変を放置しますと、癌化します。それらの前癌病変は顕微鏡で調べますと、癌細胞が検出

     される表皮内癌と将来癌になるかも知れない病変があり、それらの中で悪性の徴候の見られるものがあります。





     
§5−1 ボーエン病/前駆症/皮膚癌(皮膚ガン・皮膚がん)


     
ボーエン病は当初、褐色斑状で、後に表面が角化してきます。全身のどこにでも発生しますが、砒素を原因と

     したものを特に、砒素角化症と呼んでいます。砒素角化症は病変部が褐色に赤みが加わることもあり、湿疹や

     たむしと間違えることがありますが、通常痛みも痒みもありません。放置しますと有棘細胞癌に変化します。

     ボーエン病の治療は病巣を完全に切除する事ですが、この疾患の場合は内臓癌を併発する事が多々あります

     (胃癌、肺癌、大腸癌など)。ボーエン病に罹患した事が判明したならば、内臓の癌関連検査を受けなければ

     なりません。




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§5−2 ページェット病/前駆症/皮膚癌(皮膚ガン・皮膚がん)


     
ページェット病は発生部位に限りがあり、乳房に出来る乳房ページェット病、.の周囲、.部、脇の下に

     出来る乳房外ページェット病があります。

湿疹とよく似ていますが、赤みを強くしたよ

うな病変で、時にただれ症状もあります。治

り難く、一般的に痛みも、痒みも有りません

。湿疹、たむしに間違えないように注意する

必要があり、早期に受診します。乳房ページ

ェット病は治療が遅れれば、乳癌になったり

、リンパ節に転移することもあります。治療

方法はボーエン病よりも広範囲に切除します

。ページェット病も内臓癌を併発する事が、

多々有り、ページェット病に罹患した場合に

は、内臓の癌関連検査を定期的に受けなけれ

ばなりません。





     
§5−3 日光角化症(老人性角化症)/前駆症/皮膚癌(皮膚ガン・皮膚がん)


     
近年増加傾向の疾患で、紫外線に当たっている顔面や腕に出来る褐色斑です。経年で角化し赤みを伴い、表面は

     鱗状のかさかさした状態になります。放置すれば有棘細胞癌にかあります。屋外に出る事の多い方は紫外線対策

     などの予防をしっかりする必要があります。治療は病変部を切除すること、放射線にも感受性があり放射線治療

     も効果あるとされます。





     
§5−4 放射線角化症(レントゲン角化症)/前駆症/皮膚癌(皮膚ガン・皮膚がん)


     
放射線角化症は放射線の照射により、皮膚に発生する病変です。放射線照射してから10年程度で有棘細胞癌に

     変化します。




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§5−5 白板症(ロイコプラキー)/前駆症/皮膚癌(皮膚ガン・皮膚がん)


     
白板症は白斑あるいはいぼ状の病変で、口の中や口角、舌、.部、.などの粘膜に発生するもので、表面

     が角化しざらざらしています。良性のものも有りますが、悪性のものが癌化しますと、有棘細胞癌に変化します。

     好発年齢は中年以上で、診断を確定するために病理組織学的検査をします。






     
§5−6 ウィルス性腫瘍/前駆症/皮膚癌(皮膚ガン・皮膚がん)


尖圭コンジロームなどのウィルス性疾患に癌化を認める報告

があります。唇や口角に出来たいぼや.部に花キャベツ状

の柔らかい結節ができます。長期間治らずに大きくなるよう

であれば、専門医に早急に診断を受けなければなりません。

その他に、全身にイボが出来る疣贅沢状表皮発育異常症とい

う疾患もウィルス性疾患であり、しばしば癌を発生すること

が知られております。これらは有棘細胞癌に変化します。





     
§5−7 色素性乾皮症/前駆症/皮膚癌(皮膚ガン・皮膚がん)


     
色素性乾皮症は紫外線の過敏性がために発生する遺伝性の皮膚病です。近年の地球規模の天候、環境異変

     では、より厳しい環境条件になっていると言わざるを得ず、極限の注意が必要になります。強く皮膚が日焼けする

     事により、基底細胞癌、有棘細胞癌、更にはまれに悪性黒色腫も発生たり、場合により、神経系の障害を伴う事

     もあります。




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§6 予防/皮膚癌(皮膚ガン・皮膚がん)


     
病変は早期であればあるほど予後は良好です。


     @皮膚がシミや瘤、アザ、イボなどが出来たのに、痛みも痒みもなく、その形状や大きさ色、などが変化する

     など、特に短期間に起きるようなら、注意が必要で、専門医に受診する必要があります。


     A皮膚に潰瘍が出来ても同様に専門医にすぐ受診します。


     B屋外で作業や、レジャーなどで日光を浴びる事になるようでしたら、予防のための対策をする事が必要です。


     C日光や紫外線が原因と思われるシミや皮膚表面の以上が生じたら、専門医に見てもらう様にします。


     D湿疹、たむしと思われるような湿疹を治療しても、治らない場合ときなど疑問に思われる状況であれば、専門

     医に受診することをおすすめします。





     
§7 参考事例/皮膚癌(皮膚ガン・皮膚がん)


     ある男性のお腹の皮膚に、表面に糜爛を伴うドーム状の隆起が4ヶ月前に出来、受診しましたが、生検し、病

     理診断は真皮に浸潤する皮膚癌とされました。しかし、2週間後再生検を行い、2度目の診断は炎症病変を

     伴う、偽癌性表皮増生症とされました。この病変は徐々に周囲に飛び火し、広がります。そこで半年後にもう

     一度、結節性の病変を、大きく生検し得られた最終診断はスポロトリコーシスでした。(皮膚のカビ感染症)こ

     れは、炎症による二次的な表皮変化が、浸潤性の癌に似た所見をしばしばとります。



     
* 紫外線;紫外線はUV-BとUV-Aがあり、UV-AはUV-Bほどの有害性はありません。UV-Bは波長の短い光

     線で、皮膚の細胞のDNAを傷付けます。 体は傷付けられたDNAを、 修復させる機能を働かせますが、その際、

     ダメージを受けた細胞が炎症を起こし、皮膚が赤く腫れます。これが日焼けという事になります。一方UV-Aは皮

     膚深部まで入る性質があり、長時間浴び続けると健康に影響を与える可能性があります。日光角化症という前癌

     症の段階で、治療をする事で、 命に関わるリスクは低減しますが、放置しますと悪性化し、転移すれば命に関わ

     る事にもなります。



     
* 紫外線防止剤;紫外線防止剤にはアレルギーを殆ど起こさない紫外線散乱剤(無機系素材)と、まれにアレル

     ギー反応を起こす紫外線吸収剤(有機系素材)の2種類あり、 子供さんなど皮膚の敏感な方用には紫外線散乱

     剤だけのものが多い。日焼け止めの効果はSPFでは1〜50まで、PAでは+〜+++までの表示がされており

     ます。



     
* HLA;human leukocyte antigen ヒト白血球抗原。HLA遺伝子はヒトの6番染色体の短腕上にあり、分子生物学

     的機能の違いから、クラスT抗原(HLA-A、-B、-Cなど)とクラスU抗原(HLA-DR、-DP、-DQなど)に分けること

     が出来ます。HLA遺伝子は一対の染色体上に夫々存在しております。






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