前立腺癌・前立腺ガン・症状・検査・療法

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前立腺癌(前立腺ガン・前立腺がん)・前立腺特異抗原(PSA)・症状・検査・療法・分類・再燃・再発・疼痛緩和



     
概要/前立腺癌(前立腺ガン・前立腺がん)


     .の一部の前立腺液を作る、前立腺に生じる前立腺癌は近年著しく増加傾向にあります。前立腺癌は比較

     的成長が遅く、高齢になってから前立腺癌を発症したケースでは排尿の障害や、頻尿になること以外、特に症状

     が現れない事もあります。寿命にも影響しない事さえあります。ですが、前立腺癌でも悪性度の高いものもあり

     ます。その場合は膀胱や.、前立腺の周りの脂肪組織に浸潤し、骨や肺、肝臓などはなれた臓器やリンパ節

     にも転移する事もあります。




     
§1 前立腺癌(前立腺ガン・前立腺がん)


     前立腺癌は欧米では男性悪性腫瘍の中でも最も頻度の高い癌とされております。その死亡原因でも米国では第2

     位を占めており、日本でも増加傾向にあるといわれております。これはやはり、食生活の欧米化などが関与している

     と考えられており、さらに前立腺特異抗原(PSA)の普及なども寄与していると思われます。

前立腺癌では潜在癌と呼ばれる存在もありま

す。これは生前、前立腺癌の徴候が無いのに

も関わらず、死後組織検査でその存在が明ら

かになるもので、60歳以上の男性で20%

、80歳以上では50%の頻度といわれてい

ます。癌が出来ていても天寿をまっとうでき

る可能性も前立腺癌には有るという事です。

但し、例え前立腺癌が発見されたとしてもそ

の前立腺癌の進行速度が速いのか遅いのか、

経過の予測はつきません。前立腺内に明らか

なしこりが無くても腫瘍マーカー(PSA)で高

値となり、生検で癌が証明されたなら、進行性のものか、潜在癌なのかは判別が難しいという問題がある

事も御理解下さい。







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§2 前立腺特異抗原(PSA)/前立腺癌(前立腺ガン・前立腺がん)


     前立腺癌では腫瘍マーカーとしてPSAが様々な腫瘍マーカーがある中で、際立った信頼性を寄せられております。

     PSAは前立腺癌特異ではなく、良性の前立腺疾患でも高値を示す事がありますので、前立腺肥大症との鑑別が重

     要になります。尿閉、前立腺炎、前立腺生検ではPSAが高値を示すため注意を要します。前立腺癌は腫瘍マーカー

     のPSAを測定する事で、80〜90%の確率で発見できるとされております。腫瘍マーカーの中でPSAほど汎用されて

     いるマーカーは他にありません。PSA値は4.1ng/ml〜10.0ng/mlでは10〜20%に前立腺癌が認められ、10.0

     ng/ml以上では効率に前立腺癌が検出されております。グレーゾーンの4.1〜10.0ng/mlでは診断精度を高める

     ための努力もされております。



     
* グレーゾーン;グレーゾーンは前立腺肥大症、炎症等でも上昇します。確定診断は前立腺針生検が必要ですが、

     グレーゾーンで触診、超音波に異常がないケースで針生検をした場合、癌と診断されるのは、データ上2〜3割とさ

     れております。




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§3 前立腺癌(前立腺ガン・前立腺がん)の症状


     前立腺癌よりも前立腺肥大症に高頻度に認められるものではありますが、排尿症状(排尿困難、排尿までに時

     間がかかる、排尿時間が長い、二段排尿などや、頻尿、尿失禁、夜間頻尿などの刺激症状)があります。これは

     前立腺肥大症では尿道周囲の移行域と呼ばれる領域からの発生であるのに対して、 前立腺癌はその3/4が周

     辺域と呼ばれる領域によるもののため前立腺癌がよほど大きくならないと 症状が出難いためとされます。然しな

     がら残りの1/4は移行域から発生する事や、前立腺癌に前立腺肥大症が合併する事が有り得るために、前立腺

     癌と前立腺肥大症を判別する事は不可能となる。 そこで近年代表的な症状の評価方法が国際的な基準によりス

     コア化されました。(国際前立腺症状スコアをご覧下さい)



     前立腺癌が進展すれば排尿症状のみならず血尿や凝血塊により尿閉を来たすなどの症状が出現します。更に進

     行すれば水腎症を呈する事にもなります。前立腺癌が遠隔転移すれば転移し易い骨(特に腰椎)からの痛み腰痛

     が発現します。場合により前立腺癌の初期症状として腰痛が発現する事もあります。骨盤内リンパ節転移により下

     肢の浮腫を来たしたり、骨転移により下肢麻痺も発現する事もあります。






     
§4 国際前立腺症状スコア/前立腺癌(前立腺ガン・前立腺がん)


なし 5回に1回未満 2回に1回未満 2回に1回位 2回に1回以上 殆どいつも
@排尿後に尿がまだ残っている感じがあるか
A排尿後2時間以内にもう一度行かねばならない事があるか
B排尿途中に尿が途切れる事があるか
C排尿を我慢するのが辛い事があるか
D尿の勢いが弱いことがあるか
E排尿開始時に息む必要があるか
0回 1回 2回 3回 4回 5回
F床に就いてから朝起きるまで普通何回排尿に起きますか
                                                                I-PSS

     総得点が7点以下であれば軽度の症状、8〜19点であれば中等度、20点以上で高度の症状と判定されます。




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前立腺癌(前立腺ガン・前立腺がん)



     
§5 前立腺癌(前立腺ガン・前立腺がん)の検査


     前立腺癌は直腸診、血液検査によるPSAの測定、超音波検査が重要とされております。確定診断はやはり前立

     腺生検による病理組織学的検査となります。前立腺には時々、大腸菌の特殊な感染症(マラコプラキア)が有り

     ますが、これは浸潤する炎症性細胞が前立腺癌細胞と紛らわしい形をとります。これが判定を狂わせる可能性

     があります。この様なケースがあることも、無いとはいえないことを貴方の知識に加えておいて下さい。


     ある事例では、膀胱炎症状を一年に及び訴える患者さんは、経過観察中での尿細胞診でいつも移行上皮癌と細胞

     学的に癌の存在が示唆されておりました。しかし、画像検査、膀胱鏡検査、膀胱粘膜生検はいつも陰性であった。

     そのため前立腺の生検を行って、尿道周囲の前立腺内に出来た移行上皮癌を発見しました。大きな腫瘤を作らず、

     増殖部位、組織型共に珍しいタイプのため診断に時間を要する結果となったとされている。細胞診では浸透圧の

     低い尿中では、細胞の形が保持され難く、細胞の水ぶくれなどの二次的変化が加わり易いため、偽陽性(良性細

     胞を悪性と判断する)が増える傾向にある為、泌尿器科医が複数回の陽性を示す結果を軽視してしまった結果と

     言える。




     
関連検査値・基準値/前立腺癌(前立腺ガン・前立腺がん)


     尿潜血





     
§5−1 直腸診/前立腺癌(前立腺ガン・前立腺がん)


     前立腺癌に対する感度としては若干の問題を残しますが、直腸診では医師が手袋などを着用の上、指にオリーブ

     油やゼリーを塗り、.の力を抜いてもたった上で、直接.に指を挿入し、直腸の壁越しに前立腺を表面から

     触れ、前立腺内にしこりが無いか確認します。しこりがあれば硬く触れます。その際の主な診断上の注意点と

     しては@前立腺の中心溝の有無、A前立腺の大きさ(胡桃大、超胡桃代、鶏卵大、鵞卵大)、B硬度(弾性軟、

     弾性硬、石様硬)、C表面性状(整、不整、結節)、D前立腺側溝が境界鮮明か、.への浸潤の有無などが確認

     されます。



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§5−2 超音波診断法(TRUS)/前立腺癌(前立腺ガン・前立腺がん)


     前立腺癌の一般的な検査法として経直腸的超音波断層胞は、診断部位との距離の近さから明瞭な画像が得られる

     として採用されています。これは.から直腸に棒状のプローブを挿入して前立腺内部構造や.臓を得るもの

     で、直腸診で直接調べられない部位も観察が可能です。

但し、経直腸的超音波断層法はそのエコーパタ

ーンが低エコー領域で描出されるが、前立腺癌

は等エコー、高エコー領域のものもあるため(

12〜30%)このことが感度に限界を与えて

いる。また、前立腺辺縁部の断裂や輪郭の不鮮

明の問題、更にミリ単位の前立腺癌である場合

にも限界があります。
本診断は検査担当者の

習熟度にも左右されることがある。それが検出

率に影響を与え、擬陽性の判定度が高い患者さ

んには有る程度苦痛を与える事、費用の面でも

問題を残している。にも関わらず経直腸的超音

波断層法が採用されるのは、本診断のみ異常を

感知するケースがあり、前立腺癌の見落としを回避するためにも必要性があるものと考えられております。




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前立腺癌(前立腺ガン・前立腺がん)




     
§5−3 カラードプラ(パワードプラ法)/前立腺癌(前立腺ガン・前立腺がん)


     癌細胞は一般的に豊富な腫瘍血管(新生血管)が存在し、この増加した腫瘍血流信号をドプラ法を用いて画像化

     する。これが近年の検査機器の感度を向上させるうえで貢献しているがこの方法により、低エコー領域の部分も

     血流の有無の信号を調べることにより、癌によるものなのか非特異的な病態によるものなのかの、判定を可能にし、

     前立腺癌の診断効率を高める事に貢献する事を期待されている。



     近年ではパワードプラ法として感度がカラードプラよりも高く、投影角度の影響を受け難いことや、造影剤の

     新たな新物質の登場などにより、その造影効果の向上による診断効率の高率化も期待されている。






     
§5−4 前立腺生検/前立腺癌(前立腺ガン・前立腺がん)


         -系統的6分割前立腺生検-
前立腺癌の確定のためには針生検があるが

、通常経直腸的あるいは経.的のいずれ

かが選択されるが、経直腸的なアプローチ

が一般的です。前立腺の6分割生検が標準

的です。これはTRUSガイド下で系統的に組

織採取をするものですが(系統的6分割前

立腺生検を御参考にご覧下さい。)、前立

腺の左右両葉の底部、中央部、尖部の6箇

所をサンプリングする。これは直腸診での

硬結部やTRUS低エコー領域を選択的に組織

採取するよりも、前立腺癌の検出効率が優

れているとされています。

従いまして、直腸診やTRUSによる異常所見がなければ系統的生検を行い、異常があればその部位の生検を追加

する方法がとられます。但し、本生検では前立腺全体の0.02%を検査するに過ぎなく、見逃しも懸念されます。

実際、6分割生検で陰性の患者に再生検を行ったケースの10〜30%に癌の発見がされたとの報告があります。

ここに生検の難しさがあります。




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前立腺癌(前立腺ガン・前立腺がん)




     
§5−5 CT/前立腺癌(前立腺ガン・前立腺がん)


     前立腺癌が周囲の臓器に浸潤していないかどうかをCTで検査します。一般的に局所診断にはCTは向いていないと

     考えられておりますが骨盤内リンパ節転移の診断ではCTは有用であると考えられております。






     
§5−6 MRI/前立腺癌(前立腺ガン・前立腺がん)


     前立腺癌は特にリンパ節に転移し易く、最近の高磁場MRIの発達で前立腺癌診断に果たす役割には期待がふく

     らんでいる。

     正常前立腺のMRIは内部構造が明瞭に描出されます。周辺域では高信号域として描出され、移行域、中心域

     では低信号域を示します。一般的に多くの周辺域より発生する癌は正常の周辺域より低信号として描出されます。

     前立腺周囲脂肪は高信号域となるため被膜外浸潤や.浸潤の診断には有効でありえます。前立腺癌が移行

     域や中心域に発生した場合は診断は難しく、近年ではMRSなども試みられており、その報告例もある。






     
§5−7 骨シンチグラフィー/前立腺癌(前立腺ガン・前立腺がん)


     
前立腺癌は骨転移を起こし易い癌です。前立腺癌の骨転移は乳癌と共に造骨性骨転移が特徴で、骨単純X線検査

     では陰影は白っぽく、骨シンチグラフィーでは骨単純X線検査より、高感度であり、血流量の増加や骨形成能の強い

     カルシウム代謝の亢進した部位に特定のリン酸化合物が集積するホットスポットを利用して造影するものですが、

     骨転移以外にも骨折や変性疾患でも集積して擬陽性を示すため注意を要します。これをカバーするためにMRIなど

     で確認する必要がある。骨転移の広がりと予後にはある程度の相関関係があることも知られております。







     
§6 TNM分類/前立腺癌(前立腺ガン・前立腺がん)


T 原発腫瘍
 Tx 原発腫瘍の評価が不可能
 T0 原発腫瘍を認めない
 T1 触知不能または、画像では診断不可能な臨床的に明らかでない腫瘍
 T1a 組織学的に切除組織の5%以下に偶発的に発見される腫瘍
 T1b 組織学的に切除組織の5%を超え、偶発的に発見される腫瘍
 T1c 針生検により確認(例えばPSAの上昇による)される腫瘍
 T2 前立腺に限局する腫瘍*1
 T2a 片葉に浸潤する腫瘍
 T2b 両葉に浸潤する腫瘍
 T3 前立腺被膜を超えて進展する腫瘍*2
 T3a 被膜外へ進展する腫瘍(片葉、又は両葉)
 T3b .に浸潤する腫瘍
 T4 .以外の隣接組織(膀胱頸、外括約筋、直腸、挙筋、及び/又は骨盤壁)に固定、又は浸潤する腫瘍
*1 針生検により、片葉、又は両葉に発見され、触知不能又は画像では診断出来ない腫瘍はT1cに分類する。
*2 前立腺尖、又は前立腺被膜内への浸潤(但し、被膜を超えない)はT3では無くT2に分類する。
N 所属リンパ節
 Nx 所属リンパ節転移の評価が不可能
 N0 所属リンパ節転移なし
 N1 所属リンパ節転移あり
M 遠隔転移
 Mx 遠隔転移の評価が不可能
 M0 遠隔転移なし
 M1 遠隔転移あり
 M1a 所属リンパ節以外のリンパ節転移
 M1b 骨転移
 M1c 他の部位への転移
注;複数の転移部位があれば最も進行したカテゴリーで記載する。




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§7 病期分類/前立腺癌(前立腺ガン・前立腺がん)


T期 T1a N0 M0 G1
U期 T1a N0 M0 G2、G3-4
T1b N0 M0 Gに関係なく
T1c N0 M0 Gに関係なく
T1 N0 M0 Gに関係なく
T2 N0 M0 Gに関係なく
V期 T3 N0 M0 Gに関係なく
W期 T4 N0 M0 Gに関係なく
Tに関係なく N1 M0 Gに関係なく
T、Nに関係なく M1 Gに関係なく
                                                           by UICC
   




     §8 前立腺癌(前立腺ガン)の治療


     §8−1 放射線療法/前立腺癌(前立腺ガン・前立腺がん)


     体内に放射線物質を埋め込む小線源治療と体外から放射線を照射する外部照射の治療法がありますが、局所

     進行癌では両者を併用する事もあります。外部照射のみの選択もあります。強度変調放射線療法(
IMRT)は5

     方向からの放射線を照射する方法で、ピンポイントに狙い打つ技術です。一つの方向からの照射時間は4分程度

     で、放射線の強さを当てる場所により、細かく変えて照射する。設備されている医療機関は限られますが、前立

     腺は小さな臓器であり、その数ミリ後にある直腸は放射線に弱く、従来技術では、直腸にも大量の放射線が当た

     るのを避ける事が出来なかった。これらの問題点の解消のため、研究されてきた。精度の上がった分、可能性も

     上がってきたとされるが、今後の課題もある。IMRTの設備方向の医療機関は、増加しているが、切れ味が鋭

     い分、技術的に照射が数ミリずれても、大きな副作用に繋がるため、日本放射線医療学会でもIMRTの実施に

     際しては、医学物理士らの確保により、安全対策を手厚くする必要性を指示している。




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     §8−2 ホルモン療法/前立腺癌(前立腺ガン・前立腺がん)


     男性ホルモン(アンドロゲン)の働きを抑える事により前立腺癌の成長を抑える治療を行います。男性ホルモン

     の分泌を抑える薬(LH−RHアナログ、LH−RHアゴニスト)や男性ホルモンの作用を妨げる薬(抗アンドロゲン

     剤など)をもちいます。.(抗癌)を切除する手術も有りますが、近年ではあまり採用されておりません。





     §8−3 遠隔転移治療/前立腺癌(前立腺ガン・前立腺がん)


     腫瘍が骨やリンパ節などに転移している時には、ホルモン療法が最初の選択肢になります。これは男性ホルモン

     に対抗する薬になりますが、前立腺癌に限っては、ホルモン療法の効果はかなり高いといえ、殆どの患者さんで

     は2〜3年で腫瘍を抑える事が出来るとされております。近年の傾向では、腫瘍の成長を止めておく期間を長く

     するために、ホルモン療法を間欠的に使用する間欠療法も試みられております。前立腺癌の場合、遠隔転移が

     始まっても、その生存率は他の癌と比べても高く(5年生存率/30%)、10年以上生存される患者さんもおられ

     ます。





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     §8−3 再燃・再発/前立腺癌(前立腺ガン・前立腺がん)


     ホルモン療法を続けていても、一端成長を抑えられた前立腺癌が再び、成長し始める再燃という事があります。

     再燃を確認した場合には、ホルモン療法は一端中止し、経過をみます。更に腫瘍が成長をするようであれば、ホル

     モン剤を変えて、試みる事もあります。その場合、一時的に癌の成長が止まる事もあります。ホルモン療法で効果

     が得られなければ、抗癌剤に変えて行きます。前立腺癌では、抗癌剤治療の効果は疑問視されておりましたが、

     ドセタキセルに延命効果があると報告されております。他方、手術療法により、完全に癌細胞を切除できたとして

     も癌が再発する事もあります。血液検査の結果で再発の疑いがある場合、画像診断で確認します。しかし、画像に

     より再発が発見できない場合には、しばらく経過観察をする場合があります。手術で、切除近傍で局所再発が起

     きた場合には、放射線療法、ホルモン療法を選択します。骨や肺などに再発した場合には、遠隔転移治療と同等

     の治療を選択します。






     §8−4 疼痛緩和/前立腺癌(前立腺ガン・前立腺がん)


     腫瘍の成長が抑えられなくなった時は症状を抑える方向になって行きます。前立腺癌は骨に転移し易く、その場合

     には骨に放射線を照射したり、骨の溶解を抑えるビスホスホネート剤を使用し、骨の痛みを緩和します。(ビスホ

     スホネート剤は、確認の必要はまだありますが、骨が弱くなる事を防ぐ作用や、骨への転移を予防するという報告

     があります。

ホルモン療法を継続していた場合には、骨密度が

減少し、骨折し易くなると考えられております。

)癌が背骨に転移して脊髄を圧迫しますと、手足

に痺れや痛みが生じたり麻痺が起こったりする事

があり、予防のために放射線を照射する事もあり

ます。前立腺癌により、尿道が圧迫されて尿が出

難くなったりした場合には、膀胱の出口の筋肉を

緩める薬を処方したり、尿道を圧迫する腫瘍を切

除する事もします。ステントにより尿道を広げる

事や、カテーテルにより、ペニスの先端から膀胱

まで通して排尿を可能にする事もあります。
      -脊椎に腫瘍が転移-







     * MRS/H-MRスペクトロスコピーの事で、前立腺分泌液に多く含まれているクエン酸が良性疾患では低下しな

     いが、前立腺癌では著しく低下する事を利用して感知するもので、コリン/クエン酸orコリン+クレアチン/クエン酸

     で、癌においては実際上昇し、正確に診断できたとの報告がある。







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