胆管癌・胆管ガン・症状・検査・療法

 home(癌&癌のキーワード)>menu>胆管癌(胆管ガン・胆管がん)胆管癌(胆管ガン・胆管がん)

胆管癌(胆管ガン・胆管がん)・症状・検査・療法・分類



     
概要/胆管癌(胆管ガン・胆管がん)


     胆嚢癌は胆管や隣接する肝臓に浸潤し、進行すれば膵臓や十二指腸、周りの太い血管などにも広がってゆき

     ます。胆汁を作り出す肝臓の内部には、多数の細い血管が豊富に巡っていますが、胆汁はこれらの胆管内を

     流れ、の途中にある胆嚢に蓄えられ、この胆汁が十二指腸に流れ込みます。腫瘍が胆道を閉塞、狭窄して胆汁

     が排出されなければ、黄疸が発現します。これらの腫瘍が胆嚢の壁を突き破る様なことになれば、癌細胞が腹腔

     に広がる播種性転移も起こします。腫瘍が血流に乗って広がれば血行性転移を起こします。腹膜播腫していたり

     肝臓に血行性の転移が始まっている、癌の浸潤範囲が広いなどの時は手術適応は無く、化学療法や放射線治

     療が中心の療法となります。胆嚢癌は浸潤し易く、化学療法や放射線療法の効果が高くない、治療の難しい癌

     です。ただ化学療法をする事により、QOLが向上するという報告があります。全身状態がよければ延命効果も

     認められる例も有るようです。





     
§1 胆管癌(胆管ガン・胆管がん)


     胆管癌は好発年齢は50〜60歳で男性が2に対し女性1の割合になっております。胆管癌は発症部位により

     上部、中部、下部に分けられ、肝内胆管癌は肝癌に分類されます。発生頻度が高いのは下部胆管癌で、50歳
以上の男性に多く確認されます。胆管癌

は胆管上皮に発生する悪性腫瘍で、殆ど

が腺癌です。胆管の壁の筋層は極めて薄

く、粗であるために、腫瘍は深部へ浸潤

し易く、多くの症例で進行癌で発見され

る事が多い。更に、胆管壁内を側方(水

平方向)へ進展し易く、広がりも広範に

なることもまれな事では有りません。

胆肝癌は比較的早く黄疸などの症状が出

る特徴があります。胆管癌は発生頻度の

高い癌では有りませんでしたが、高齢化

社会で患者数も増加しています。

            -胆管癌模式図-






 home(癌&癌のキーワード)>menu>胆管癌(胆管ガン・胆管がん)



     
§2 胆管癌(胆管ガン・胆管がん)の症状


     
胆管の狭窄・閉塞により黄疸が出現する事が初発症状であることが多く、狭窄・閉塞の原因は腫瘍によるものです。

     食欲不振、心窩部痛、痛痒感を感じる事もあります。腫瘍による閉塞部位が下部胆管ですと胆嚢が腫大してしこり

     として感じる事があります。




     
* 増加傾向の胆管癌;近年、特に50〜60歳代の男性に多く確認されております胆管癌は、食生活の欧米化など

     が指摘されております。黄疸などの症状が知られておりますが、症状が出てきたときにはかなり進行しているケー

     スが多い。発症する前に発見するためにγ-GTP、ALPやGPTの検査値の上昇を見落とさない様になさって下さ

     い。 症状が無くても消化器内科で精密検査を受けて下さい。(胆管癌ができますと、血液検査で肝機能の指標が

     上昇します。)





     
§3 胆管癌(胆管ガン・胆管がん)の検査


     
§3−1 血液検査/胆管癌(胆管ガン・胆管がん)


     
胆道系酵素の値が上昇します。(γ-GTP、ALP)更に、胆管の閉塞に伴いビリルビン値が上昇します。CEA

     CA19-9などの腫瘍マーカーが陽性となる場合もあります。



 home(癌&癌のキーワード)>menu>胆管癌(胆管ガン・胆管がん)



     
§3−2 画像診断/胆管癌(胆管ガン・胆管がん)


     
§3−2−1 超音波検査/胆管癌(胆管ガン・胆管がん)


     
非侵襲的、安全、簡便な検査で採用し易いが、肝外胆管、特に下部胆管では消化管ガスの影響があるため、腫瘍の

     陰影化で、困難な事も多い。超音波検査では、肝内胆管や、総胆管の拡張を見逃さない事が大切になります。胆管

     の拡張が確認されたならば、原因疾患特定のために精密検査をする必要があります。





     
§3−2−2 経皮経肝胆管造影(PTC)、内視鏡的逆行性胆道造影(ERCP)/胆肝癌(胆管ガン・胆管がん)

これらの直接胆道造影の検査は最も重要な検

査で、胆管閉塞の確認だけではなく、閉塞部

位や、範囲、また、その原因の特定に有効で

あるばかりではなく、同時にドレナージチュ

ーブ、あるいは経鼻的内視鏡的胆道ドレナー

ジをセットし、減黄、感染予防も可能となる

為、術前治療のみならず、初期治療としての

役割を果たす。これらの検査は総胆管結石症

や他臓器腫瘍による胆管への圧排、浸潤との

鑑別が重要になります。






 home(癌&癌のキーワード)>menu>胆管癌(胆管ガン・胆管がん)



     
§3−2−3 MRCP(magnetic resonance cholangiopancreatography)/胆管癌(胆管ガン・胆管がん)


     
MRCPは静止状態にある水分を高信号として表示する。検査時間が飛躍的に短縮され、画像表示の改善がされ

     新しい胆管、膵管の表示方法として確立されつつあります。MRCPは嚢胞性病変の描出には極めて有効な方法

     です。非侵襲的に胆管全体の情報を得られ、胆道系疾患の診断に極めて有用とされております。





     
§3−2−4 CT/胆管癌(胆管ガン・胆管がん)


     
腫瘍の存在を診断したり、転移の有無、腹水の存在、腫瘍の進展度を診断するのに用いられます。ヘリカルCT

     は3次元画像としてとらえ、胆管走行の把握に有効です。





     
§4 胆管癌(胆管ガン・胆管がん)の分類


     §4−1 TNM分類/肝外胆管癌(肝外胆管ガン・肝外胆管がん)


T 原発腫瘍
 Tx 原発腫瘍の評価が不可能
 T0 原発腫瘍を認めない
 Tis 上皮内癌
 T1 上皮下結合組織又は線維筋層に浸潤する腫瘍
  T1a 上皮下結合組織に浸潤する腫瘍
  T1b 線維筋層に浸潤する腫瘍
 T2 線維筋層周囲結合組織に浸潤する腫瘍
 T3 次の隣接臓器に浸潤する腫瘍/肝、膵、十二指腸、胆嚢、結腸、胃
 T4
N 所属リンパ節
 Nx 所属リンパ節転移の評価が不可能
 N0 所属リンパ節転移なし
 N1  胆嚢管、総胆管周囲及び/又は肝門リンパ節へ転移(例、肝十二指腸間膜内)
 N2 膵周囲(頭部のみ)、十二指腸周囲、門脈周囲、腹腔、上腸間膜動脈(根部)、後膵-十二指腸リンパ節へ転移
M 遠隔転移
 Mx 遠隔転移の評価が不可能
 M0 遠隔転移なし
 M1 遠隔転移あり






     
§4−2 病期分類/胆管癌(胆管ガン・胆管がん)


0期 Tis N0 M0
T期 T1 N0 M0
U期 T2 N0 M0
V期 T1 N1、N2 M0
T2 N1、N2 M0
WA期 T3 Nに関係なく M0
WB期 T、Nに関係なく M0
M1
                                                                     by UICC



 home(癌&癌のキーワード)>menu>胆管癌(胆管ガン・胆管がん)




     
§5 胆管癌(胆管ガン・胆管がん)の治療


     
§5−1 外科療法/胆管癌(胆管ガン・胆管がん)


     治療は手術が唯一の根治療法です。胆管の周囲には肝臓、十二指腸、膵臓などの重要な臓器があります。そのため

     手術も複雑になりますし、入院期間も一ヶ月程度になります。
            -胆管周辺臓器-
術前は閉塞性黄疸に伴って、肝機能が低下し

ている事が多く、術前血液生化学検査、プロ

トロンビン時間、ICG試験、75g経口ブド

ウ糖負荷試験などにより、総合的な肝予備能

を把握する必要性があります。手術は特にこ

の肝予備能によって治療方針、術式、予後も

大きく変わってきます。このことにより肝切

除範囲の許容量が推定できるようになります

。黄疸を呈しているようであれば、PTBD

(経皮経肝胆道ドレナージ)による減黄が行

われます。減黄は術後の肝機能回復を促がし

、合併症の予防にも繋がる大切な処置です。

     手術は基本的に、広範囲の病巣部を含めた胆管切除、所属リンパ節の郭清を行い、肝門部及び上部胆管癌では

     肝切除が行われます。腫瘍の広がりや肝予備能によって肝切除範囲は異なります。他方、中部胆管癌、下部胆管癌

     では膵頭十二指腸切除術が基本になります。腫瘍が限局している場合にはリンパ節転移の無い症例では、全胃幽門

     温存膵頭十二指腸切除術も行われるようになっております。切除不能な進行癌では、バイパス術や、外瘻術のみが

     行われる事もあります。根治手術が不可能の判明している場合や、全身状態が不良で手術適応が無いケースならば

     、内視鏡下あるいはPTBD(経皮経肝胆道ドレナージ)ガイド下で、胆管ステントを挿入し、減黄処置を施行するなど

     して、対症療法中心の施療となります。





     
§5−2 その他の療法/胆肝癌(胆管ガン・胆管がん)


     その他、化学療法、放射線療法、温熱療法、免疫療法などに付いては研究検討されておりますが、現況では、その

     有用性に付いての統一した見解は、得られておりません。一つの事例では、80歳代の女性が黄疸から、胆管癌と

     診断された。高齢のため手術不適応で、在宅での抗癌剤の服用(経口)が開始されたが、徐々に元気が無くなり、

     本人の来院が不可能となり、家族が薬を受け取り、服用することが続いた。あるとき、意識不明となり、亡くな

     られた。胆管癌は1cm程度で、黄疸症状も軽度で、服薬の効果はあったと判定されておりました。抗癌剤は胃

     から、大腸にいたる消化管の粘膜を、酷くただれさせるほどの強い副作用を発揮していた事が、わかったが、患者

     さんは、とても我慢強い方で、酷い下痢が続いていたにも関わらず、食事出来なくても服薬は続けておられた様

     でした。




     * 多剤併用療法など/ゲムシタビンカペシタビンフルオロウラシルマイトマイシンドキソルビシン

     ゲムシタビンゲムシタビンオキサリプラチン







      * ご覧になりたい項目の金色ボタンをクリックして下さい。ご希望のページへジャンプします。

頭頸部 脳腫瘍 上顎洞癌 舌癌 咽頭癌
喉頭癌 甲状腺癌 食道癌
胸部 肺癌 乳癌 縦隔腫瘍
腹部  胃癌 肝癌 胆嚢癌 胆管癌
膵癌 腎癌 膀胱癌 大腸癌
. .癌 膣癌 子宮頸癌 子宮体癌
子宮肉腫 卵巣癌 卵管癌 絨毛癌
前立腺癌 .腫瘍
全身性 神経芽腫 骨腫瘍 皮膚癌 多発性骨髄腫
急性白血病 慢性リンパ性白血病 悪性リンパ腫
成人T細胞白血病 慢性骨髄性白血病
その他 抗癌剤 転移・再発 疼痛緩和ケア ターミナルケア
腫瘍マーカー



















 home(癌&癌のキーワード)>menu>胆管癌(胆管ガン・胆管がん)
-癌&癌のキーワード-
(C)allright reserved